[サラワク訪問記]日本に直結した経済発展と環境問題

4、コミュニティ・フォレストリーの哲学で森林保護に取り組むNGO

 今回のサラワク行(2月初旬)は、経団連自然保護協議会(佐藤正敏会長)の視察ミッションに参加したものである。初めての訪問である。経団連自然保護協議会は世界中の自然保護関係NGOに助成金を出しているのであるが、助成金が効果的に使われているかの検証、さらに、どういうプロジェクトに助成金を出せば自然保護に役立つかを発見するために、毎年世界のNGOの活動サイトを現地視察している。
今年はサラワク州クチン市に拠点を置くNPOボルネオ熱帯雨林再生プロジェクト(酒井和枝理事長)の成果を現地視察した。

 同NPOはサラワク州のサバル地区で、先住民族の利用していない二次林に、住民と一緒に、ボルネオの昔からの樹種フタバガキ科在来種を植林し、熱帯雨林再生を目指している。その際、換金作物を同時に植えている。香木や果樹の植林、薬草、ミツバチなどのアグロフォレストリーの実践である。地元住民が自発的に森の保全をしながら森からの恩恵を受けられる仕組みを作っている。
 養蜂が現地住民との対話に一番効果的なようだ。森林多角利用からの収入が増加すれば、大資本農園への転売の防止、それに伴う森林率の低下の抑制につながる。森を守りながら森からの恩恵を後世に残せるための活動を誘発したいと考えているのだ。
 
 酒井代表は、私達の活動は樹を植えるだけではなく”人の心に樹を植える活動″でもあり、多くの人との絆をつなげたいと願う気持ちでボルネオ島に住んでいるという。アグロフォレストリーを対話の手段に、コミュニティ・フォレストリーを推進したいというのが、酒井代表の哲学である。強い感銘を覚えた。
 
 NPOは在来種フタバガキの種子の収集、苗づくりも行っている。熱帯雨林は種子を付けるのが珍しいので種子集めは苦労しているようだ。10年に1回しか種子を付けない樹もある。地域先住民に効果的な苗木育成、植木保管方法の指導も同時に行っている。マレーシアサラワク大学の指導を受けている。1996年当時の植林は着床率4割であったが、サラワク大学の指導により86%まで上昇した。NGO活動も研究開発が重要であると言えよう。
 
 住民参加型の植林活動であるから、子供たちも植林に参加している。学校側から参加させてもらえないかと要請があるそうだ。「森になるには3世代かかる。長期にわたる仕事です。子供たちが森林育成を引き継いで初めて成功する。子供たちは宝です」(酒井代表)。遠くジョホールバルやシンガポールからも、小学生が環境教育の一環としてここに植林をしに来るようだ。宝となる子供たちは世界に広がっている。
 
 環境保護は、NGOの役割が大きい。企業とNGOでは情熱が違う。企業ではできないことをNGOがやっている。NGOが日本のプレゼンスを高めているといえよう。

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