NYダウ工業株史上最高値更新の歴史的意味

図表2

今後3つの条件はどうなるのか
このように過去の繁栄期においては、少なくとも3つの必要条件がそろった時に経済が飛躍し、株価が長期上昇をしたことが明らかであるとすれば、今後はどうなるのだろうか。地政学レジームと言う点では米国の一極支配から「世界共和国」と言うべき統治形態に移行していくのではないだろうか。アメリカは世界の覇権国から「世界共和国(Global Commonwealth)」のリーダーへと変質しようとしている。良くも悪くも米国価値観を押し付けようとしていると受け取られたブッシュ前大統領のアメリカから、オバマ大統領のアメリカへの転換である。オバマ大統領は初の黒人大統領であるだけではなく、核廃絶の呼びかけ、自制的リビア攻撃、イスラエルに対する1967年以降の占領地返還要求など、著しく国際世論に配慮した政策にシフトしつつある。なぜアメリカが変質しようとしているか、3つの要因が指摘される。第一は米国経済の相対的地盤沈下・新興国の発言力の高まり、第二に米国の価値観と制度の世界普及が鮮明になったこと、第三に米国が世界新時代の潮流であるフラット化・分散化・開放化の技術変化、制度変化を主導していること、である。つまり米国は「世界共和国(Global Commonwealth)」の実現により国益を貫徹しようとしているのである。それでは「世界共和国(Global Commonwealth)」の理念として共有されつつある事柄とはどのようなものか。①民主主義、人権擁護、②市場経済、資本主義、③インターネット環境への対応、適用、フラット化、④地球環境の保全、⑤Global Governance の発揮(世界各国の夜警国家化、治安権力化)などが骨格となるアジェンダではないか。各国政府は「世界共和国(Global Commonwealth)」の理念遂行を、分担して担う主体となりつつある。

第二の技術革新、生産性増大と言う点では、インターネット技術・文化・経済様式の発展、脱石(原子力)新エネルギー革命が展望される。またグローバリゼーションにより引き続き着実な生産性の向上が期待できよう。そこで問題となるのは第三の需要創造のメカニズムの創設である。従来の信用方式はサブプライム危機、ギリシャ危機との相次ぐ金融危機により、機能しなくなりつつある。そして、第三の通貨・信用システムないしは他の需要創造のメカニズムが発見される時に、経済・雇用と株式は再度大きく上昇する時代に入るのではなかろうか。金価格の上昇とそれをもたらしたFRBの量的金融緩和はそうした新時代金融通貨制度の生みの苦しみを示唆しているのかもしれない。

このように考えると現在は、1999年から続いている長期停滞の最中か出口近辺に位置している可能性が強い、と考えられる。ギリシャと欧州の金融情勢、米国住宅問題と家計のデレバレッジ化などの過去からの負の遺産を消化しながら上述の3条件がどのようにそろえられて行くのか、予断は許されない局面にあると言える。

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