一旦、国内株価も外貨相場も健全な調整へ~中長期的には、バブルではなく、実態改善を踏まえての株高・円安へ~

 中長期的には、こうしたバブルではない、健全な国内株価上昇が期待できるだろう。海外経済実態の改善により、他国の株価も上昇基調をたどると予想する。世界的な株価上昇が、「リスク回避のための円高」を一段と後退させ、投機ではなく投資家のリスクをとった資金移動に沿って、外貨高・円安基調が進むだろう。

 このように、一旦国内株安・円高に振れた後の株高・円安基調を予想するので、月次見通し資料「花の一里塚」2月号(2/1付)の予想レンジは、現時点で修正しない方針だ(6月末までの予想レンジ上限は、日経平均が12000円、米ドル円が95円、など)。

2.イタリア総選挙と財政の崖パート2は、目先の悪材料だが、過度の懸念は当たるまい

 昨日の米国市場の波乱の直接の材料は、イタリアの選挙情勢だ。投票が2/24(日)~2/25(月)の2日間行なわれ、現時点(日本時間2/26(火)午前7時現在)では、開票作業は終了していないが、既に米国市場では、投票情勢について様々な観測報道が飛び交っていた。

 現在までの開票情勢などを総合すると、上下院のうち下院では、モンティ現首相の改革路線に近い中道左派が優勢な情勢だ。下院においては、得票数が最大の陣営が自動的に54%の議席を得る制度となっており、中道左派が過半数を占める公算が極めて高い。
 しかし上院はそういった制度がなく、各州(選挙区)ごとの議席決定となる。そのため結果はまだ判然としないが、一部では、ベルルスコーニ前首相が率いる、反改革的な中道右派が、第一党となったとの調査も見られる。この場合でも、中道左派と、モンティ首相が直に率いる中道派が連立すれば、中道右派を上回る可能性がある。ただしそれでも、(中道右派、中道派、中道左派以外の政党があるため)過半数を得るに至らない公算も十分ある。

 当初は下院で中道左派優勢、との報道が先行したため、欧州市場では株価が急伸し、外為相場も落ち着いた動き(一時はユーロが強含み)だった。しかし米国市場では、上院の混沌とした情勢が伝えられ、市場が嫌気した。イタリアでは上下院が同等(日本における衆議院の優越権のような制度がない)のため、選挙後の情勢の混迷が懸念され、近日中の再選挙の可能性も囁かれている。こうしたイタリアの政治情勢が、当面は世界市場の重しになる展開が十分ありえよう。

 しかし今回の選挙で、国民の改革路線支持が総じては示されたことも事実であるし、ユーロ圏全体の枠組みの中で、大国イタリアが勝手に改革を後退させられるような状況ではない。他欧州諸国からの政治的なプレッシャーの中、イタリアの財政赤字縮小や構造改革に向けての路線は、大きくは変わらない、と見込んで良いだろう。

 もう一つの世界市場の懸念要因は、財政の崖パート2である。昨年末から今年初にかけての財政の崖回避交渉で、歳出の一律削減については、2カ月延長し3/1(金)が新たな削減発動の期限となったが、現時点で議会では回避に向けて何の進展もない。

 しかし、前回の大統領選挙で敗れ、議会選挙でも議席数を減らした共和党は、歳出削減回避交渉でいたずらにオバマ政権への反対姿勢を強めれば、「何でも反対する共和党」とのレッテルを国民から貼られ、さらに支持を失うとの危機感がある。このため、今回の交渉も、最終的には是々非々で臨む可能性がある。
 また、歳出一律削減が発動した場合、その規模は850億ドルと試算されている(2/24(日)にオバマ政権から発表された資料による)。当初昨年末に懸念された財政の崖の総額は5000~6000億ドルとされていたので、歳出削減の経済に与える悪影響の度合いは、それと比べれば大きくはない(財政の崖のうち、実際に年初に実施された給与税減税の打ち切りは、概ね1000億ドルとみられ、それよりも歳出削減の規模の方が小さい)。

 この点から、財政の崖パート2も、当面の市場の懸念要因となろうが、米国経済の行方を深刻視するには至らないだろう。

(以上)

◆関連サイト
馬渕治好氏が代表を務める事務所 ブーケ・ド・フルーレット
馬渕氏の詳細レポートがいよいよ販売開始!お申し込みはコチラ!

1 2

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> 一旦、国内株価も外貨相場も健全な調整へ~中長期的には、バブルではなく、実態改善を踏まえての株高・円安へ~