株高・低金利の併存は、なぜ好材料なのか~日銀新総裁指名から始まる日本株高の第二ステージへ~

黒田氏が総裁に指名されれば市場は大きくポジティブに反応するだろう。そして氏の打ち出す金融政策の新機軸を期待し、しばらく足踏みにあった日本株価は再度高値を追い始めるのではないか。

国債買い入れを軸としたリスクテイク促進

新総裁は、日銀のバランスシートを大きく(数十兆円単位で)膨張させる量的金融緩和(QE)の新機軸を打ち出すであろう。その主たる対象は、①外債、②リスク資産(ETF、REIT等)、③日本国債、が考えられる。そのいずれも効果的ではあるが、①は為替介入と取られ海外からの批判が高まる、②は買い入れ対象の市場規模が小さすぎ、市場インパクトが大きすぎる、等の問題がある。結局現実的なのは、③であろう。従来残存期間3年未満に限られていた国債の買い入れ対象期間を延長し、一気に買い入れ額を増やす。それはバーンナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長によるQE2そのものであろう。

QE2では、ギリシャ危機ぼっ発後の市場心理が不安定化した局面(2010年11月から8カ月間)において、長期金利の押し下げを通じたリスクテイクの促進、リスクプレミアムの圧縮を意図し、総額6,000億ドルの追加国債購入が行われた(図表3参照)。将来インフレの懸念、新興国通貨高と投機を増長させるなどの批判はあったが、米国株高を大きく促進し、経済と市場にアニマルスピリットを喚起して、持続的成長を可能にした。

それにしてもアベノミクスの登場により、昨年11月からの3カ月間で30%の株高、20%の円安となったにもかかわらず、日本国債の利回りは0.7%と低迷を続けている。この債券市場の無反応について、「アベノミクスの無効性の証拠」と言い立てる人々がいる。債券市場は全くインフレ期待を高めておらず、株式市場のアベノミクス期待は、実体がないというものであるが、それは間違っている。

リフレ政策の経路は、インフレ期待の高まりから恐怖心を煽り、リスク資産からの逃避を進めるものではない。資産価格上昇の可能性を確信させ、リスク資産投資を促進するのだ。そのためには、同じ国債でもよりリスクの高い残存期間が長い国債の価格が値上がりし(=金利が低下し)、リスク回避者(より残存期間が短い国債保有者)よりも、運用成果が高まらなくてはならない。QEに見られる信用緩和の要諦は、よりリスクの高い資産がより値上がりするとの期待の連鎖を、確かにすることにある。インフレ期待が直ちに高まり、(長期金利が上昇することによって)よりリスクの低い短期国債がよりリスクの高い長期国債投資より投資妙味が高まる、等ということは政策目的からして起こり得ないことなのである。実際、米国のQEの過程では、政策発動とともに長期国債利回りが低下し、直ちに株高など資産価格の上昇が起こった。日本で想定されるQEも同様で、先ず長期金利が低下し、株価や不動産価格も値上がりする、全面高が起きると考えるべきである。

インフレ到来、日本国債暴落、日本売り等と悲観論に基づきつつ、消去法的に株価上昇を主張する議論も、裏切られるだろう。いずれ景気回復やデフレ脱却による緩慢な金利上昇が起きるだろうが、それは良い金利上昇である。

日銀は「先ず隗より始めよ」、日銀が自らリスクテイクの度合いを強めること、リスク資産にコミットすることが必要である。

「アベノミクス=QE」はインフレ期待という恐怖を求めるものではなく、「成長期待=収益期待」というチャレンジを求めるものである。アベノミクスは、あらゆる悲観論を打破するだろう。

zuhyo4-5

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