2013年2月1日時点での主要市場見通し

・このように、今世界市場で生じている明るい動きは、次のように解釈できる。まず、昨年秋ごろまでは、もともと世界経済・財政・金融の実態が、それほど良いわけではないが悪いわけでもない、という「まあまあ」な状況であったにもかかわらず、いたずらな悲観論が世界で横行し、株は売られ過ぎ、外貨も対円で売られ過ぎ(消去法的な円買い、あるいはいわゆる「リスク回避のための円高」(※2))、安全資産とみなされた日米独の長期国債や金は買われ過ぎとなってしまった。現在は、極端な悲観論が誤りであったと知れ、売られ過ぎたものや買われ過ぎたものが実態へと回帰し始めているのであろう。

・こうした世界における悲観論の後退は、世界的な株高・外貨高等の、第一幕であると考えている。いずれ世界市場は、第二幕、すなわち緩やかながら改善に向かっている世界の経済・金融情勢を反映しての、株高・外貨高に移るものと見込んでいる。
・第一幕から第二幕への移行はスムーズなものになるかもしれないが、その保証はない。これまでの世界市場の好転が急速であっただけに、むしろ一旦は休息や軽い調整を交える可能性が高いと予想している。
・また、第二幕に必要な、世界の投資環境の好転は、なだらかなものだ。主要国の景気や企業収益等の実態は、昨年10~12月辺りが最も悪かったと推察される。それは、米国の実質経済成長率(前期比ベース)が10~12月期はマイナスであったことや、豪州から中国向けの輸出額(季節調整済)は最近では9月が最も落ち込んだこと、日本のほとんどの小売・外食企業の既存店売上高前年比は、10月が一番マイナス幅が大きかったこと、などによる。
・そこから今年に向けて、主要国の景気は持ち直しに入ってはいるものの、まだ目に見えて立ちあがっているわけでもない。したがって、第二幕が本格化するには、少し時間がかかる恐れもあり、その前に幕間としての相場調整が生じる展開は考えられる。
・特にユーロ相場については、前述のように、今はまだ第一幕だ。ユーロ圏経済は、今年も実質マイナス成長に終わる可能性があり(IMF(国際通貨基金)の1月23日付予想では、2013年は-0.2%と、2012年の-0.4%に続いて2年連続のマイナス成長見通し)、ユーロがすぐに第二幕に入って上値を追うには、力不足であると考えている。

※2 「リスク回避のための円高」も、実態がよくわからない、奇妙な言葉だ。真に、リスク回避のための円高と言うのであれば、どこかの投資家が、何かのリスクを避けるために、外貨を売って円を買う、という意味でなければならない。具体的にそうした事例は何なのか、筆者はどうもピンとこない。では「リスク回避のための円高」を、筆者はどう解釈しているかと言えば、世界市場に波乱が生じた際に、何かの理由でたまたま円高が生じ、それを指して誰かが「リスク回避のための円高」と名付けたため、「世界にリスクが高まった時は円高になるのだ」との誤解が広まり、それを懸念した、あるいはその動きに乗じようとした、投資家・投機家が、深く考えずに円を買い上げた、という辺りが実態だとにらんでいる。

・これまでの円安はもちろんのこと、国内株価の上昇についても、こうした世界的な大きな流れで捉えるべきである。
・「アベノミクス」が国内株価の動きにまるで影響がない、と考えているわけではない。成長戦略(※3)など、金融政策以外の経済政策が功を奏せば、国内景気や企業収益が改善することによって、第二幕の国内株価上昇に力を添えるだろう。

・なお、日銀の追加緩和については、現状では景気にも市場にも影響はほとんどないと考えている(思惑や誤解を別にすれば)。これは別に日銀が悪いわけではなく、日銀が銀行の保有する国債等を積極的に買い上げて、現金を銀行に渡しても、まだ実態経済が弱く資金需要が増えないため、融資などの形で銀行からその外側に資金が流れ出しにくく、銀行システム内に資金が滞留しているためだ。
・したがって、M2(経済全体にどのくらい現預金の形でお金が出回っているか)÷ベースマネー(中央銀行がどのくらいお金を撒いたか)の比率を見ると(図4)、低下傾向にある。すなわち、日銀の量的緩和策が、徐々に効力を失いつつある(効力がゼロだとは言わないが)ことを示している。

(図4)
図4

※3 安倍政権の財政政策については、財政規律という縛りのなかで、防災や老朽化したインフラの補修など、国民生活の安全向上という狙いが主軸であって、景気刺激効果といった観点からは論じにくいと考えている。

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