足元の相場膠着について~第一幕と第二幕の間の、必要な一休み~

(図表2)

 ここで現在の企業実態と株価を比べるため、TOPIXの今期(2013年3月期等)の予想PBRと予想PERをみると(図表2)、PBRは1倍を回復したとは言えまだ低く、日本企業が保有する潤沢な資産と比べ、株価が割安であると言える(図中の丸印はリーマンショック直後の状況を示しているが、当時のPBRと余り変わらない)。しかしPERはかなり上昇してしまっており、資産の潤沢さに見合った十分な利益が今はあがっていないことを意味する。その点で、株価は期待先行と言える。

 金融政策以外の政策が実際に効き目を表し、同時に各企業が自助努力をして(※1)、企業収益の回復と言う現実の成果を出せるのかどうか、その確信が、さらなる株価上昇のカギとなっている(必ずしも景気回復・企業収益増が実現化することを相場は待たないだろうが、その確信をある程度は得る必要があるだろう)。

※1 安倍政権は、明確に「政策で全てできるわけではない」と語っている。それは当然のことだ。「政府が円安にしてくれない、円安過ぎても困る」「政府が景気を良くしてくれない」と言うばかりの企業と、経済・市場環境がどうであろうと収益をあげる自助努力を続ける企業とでは、株価の乖離が広がっていくだろう。そうした個々の銘柄の株価格差が広がる、という点は、株価上昇第二幕の大きな特徴となるだろう(それに対し、第一幕は、株価の底上げ色が相対的に強かったと考える)。第一幕の買いの主役であった外国人投資家の短期筋は、個別銘柄より指数を見ていただろうが、第二幕の買いの主体として期待される長期筋は、全体相場より個別企業に注目すると考えられる。

2.今は流動性相場ではないのか? バブルは来ないのか?

 しばしば、現在の株式相場が流動性相場だ、とのコメントが聞こえる。また、円安になったのは、日銀がどんどん追加緩和すれば、日本が金余り(=円が余剰)になるからだ、との声も多い。

 しかし、日本は金余りではないし、日銀の追加緩和だけでは金余りにならない。日銀が銀行から国債等を買った資金は、銀行(具体的には、各銀行が日銀に設けている当座預金)に積み上がり、銀行システムの外には融資等の形で余り出て行っていない。結果として、銀行の外側(経済一般)においては、金余りになっていないし、今後も日銀の追加緩和だけでは、金余りにならないだろう。

 経済を馬にたとえて言えば、やることもなく(=不景気)のどが渇いていない馬(=経済)の前に、大量の水(=現金)を置いても、馬は水を飲まない。馬が活発に運動すれば(=好況)、馬は水を飲むだろう。馬が水を飲みたい時に水がなくては困るから、事前に十分に水(=現金)を供給しておくことは必要だ。しかし、水を増やせば馬が水を飲むわけではない。金融政策以外の経済政策によって、馬が元気に走り回れば、その時になって初めて、これまでの金融緩和が功を奏し、お金が経済全体を回って、最終的に(図表1)に書いた「真の金余り」になるだろう。

 つまり現在は、金が余っていないのだから、国内株式相場は流動性相場ではなく(ただし流動性期待相場や流動性幻想相場ではあるかもしれない)、円が余って円安になっているわけではない(ただしこれも、金余り妄想による円安はあるかもしれない)。流動性相場が来るとすれば、それは「真の金余り」になってからだろう。

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