中国経済を見る目-輸出主導か内需依存型か-

2、中国の景気は昨秋、底入れした

 中国経済は昨年秋に底入れしたようだ。2012年7~9月期のGDPの前年同期比が7.4%と鈍化し、先行き慎重論が多かったが、景気の先行指標は回復に向かっている。中国の景気先行指標である製造業購買担当者景気指数(PMI)は、夏場は50を下回っていたが、10月50.2、11月50.6、12月50.6と3カ月連続で50超となり(季節調整済み)、中国経済が緩やかな回復に向かっていることを示した(注、PMIは50を上回ると景況の改善、下回ると景況の悪化を示す)。
 HCBC銀行のPMIは11月50.5、12月51.5に上昇し、中国製造業の拡大が加速しつつある状況をより明瞭に示した。

 2012年の成長減速は、ユーロ危機後の欧州経済のリセッションによる輸出鈍化の乗数効果、インフレ対策の金融引き締め(前半まで)の効果が重なった結果である。中国は2010年半ばから2011年まで、インフレ抑制のため金融引締め政策が発動された。また、住宅市場のバブル抑制に向け、過剰抑制策も採られた。その結果、2011年7~9月期のマネーサプライ(M2)は前年同期比13%台に低下した(GDP8~9%成長に対応したマネーサプライM2の伸び率は18%程度)。その効果がタイムラグを伴って、2012年の内需の増勢を抑制した。

 しかし、いま、物価が完全に鎮静しているため(11月の消費者物価上昇率は2.0%)、金融政策は緩和の方向にある。2012年5月に預金準備率を引き下げ、7月には金利を引き下げた。2012年5月以降、政府は物価抑制からリフレ政策に転換した。公共投資も拡大に転じている。マネーサプライも2012年初めから17~18%の伸びに高まっている。1年のタイムラグで2013年は内需拡大要因になろう。

◇リフレ政策の効果が出る2013年
 2008年北京オリンピック以来の中国経済は、金融引き締め、リーマンショック、ユーロ危機と連続する撹乱要因に襲われ、振幅が大きかった。2012年の成長減速も、金融引き締めの効果とユーロ危機に伴う輸出鈍化という循環的要因が主たる原因であった(人口ボーナスの消滅等が主要因ではない)。この二つの要因のうち、金融政策はリフレ政策に転じたので、2013年は中国経済の様相は異なったものになろう。

(注)中国情報センターと中国社会科学院の発表によると、中国の総労働力人口は2013年にピークに達し10億人を超えた後、徐々に減少する見込みである。しかし、技術革新と産業構造の転換で生産性が上昇することで、“労働力人口”の減少(しかも年率わずか零コンマ2%程度)が直ちに経済成長に影響することはない。当Web2012年12月18日付、拙稿「ミャンマー 人口ボーナス再論」参照。

 現状は既に回復基調がはっきりしてきた。11月の小売売上高は前年同月比14.9%の増加。固定資産投資額(都市部)の1~11月の前年同期比は20.7%の増加。住宅販売も上向いてきた。在庫調整も完了している。国内経済の動向は中国の景気回復を示唆している。GDPは2011年の9.2%成長の後、2012年1~3月期8.1%、4~6月期7.6%、7~9月期7.4%と鈍化したが、10~12月期は8~9%に高まるのではないか。

 中国の経済成長は内需に負うところが大きい。欧米景気の先行きに不安があるため、輸出の高い伸びは期待できない。しかし、内需の伸びが確かなものになっているので、2013年の中国経済は減速成長から脱却するであろう。

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