2013年1月4日時点での主要市場見通し

④政治基盤の弱体化:そもそも国家の主要人物が、中枢にいる背景理由が希薄化している。過去は、党中枢にいる理由は、銃を取って抗日戦線で戦い、中華人民共和国を建国したことにあった。その後は、そうした「建国の英雄」に指名されたことが根拠だった。今は党指導部は、指導部にいる根拠が薄らいできており、これが共青団VS太子党、既得権益派VS改革派の対立を激化させている(昨年秋の党大会日程も、決まるまで長かった)。このため、経済政策より権力争いの方が優先される展開ともなりかねない。
⑤中国ビジネスが各国で反発:ラオスの鉄道計画においては、当初中国企業を起用したところ、路線や駅の計画が事前に中国で漏れ、沿線の土地を中国人が買い占めたと聞く。
このため、ラオス政府は日本政府に働きかけ、日本からの円借款で日本企業が鉄道を引く計画が進行しつつある。アフリカ諸国の鉱山開発においては、中国系企業が現地での雇用を増やさないため、反発を買っている。今年5月に、日本主催で国際資源会議が開催されることとなり、アフリカ諸国政府や、日米欧の資源関連企業が参加するなど、中国を外そうとの動きが広がっている。
中国経済が高成長を続けていた間は、中国のやり方が多少傲慢でも、他国は儲けのため不承不承付き合ってきた面もあったが、これまで述べてきたような理由により、中国とのビジネスのうまみが少なくなれば、諸国は潮が引くように中国から離れ、それがまた中国経済に対する打撃となるだろう。

・こうした中国の経済に対する構造的な諸問題は、中国の成長力を抑制し、中国は高成長国から「普通の国」になっていくだろう。
・ただし、このような成長率の低減は、長期的に生じて行くことであり、中国経済が短期的に失速すると考えているわけではない。沿岸部の景気減速に対し、内陸部が高成長を続けているし、上海等の大都市における不動産バブルは懸念要因だが、かつての日本のように、全国でバブル化しているわけでもない。
・中国経済(および中国株価)そのものについては、述べてきたように長期的に警戒的にみているが、中国経済が短期的に崩壊して、世界を巻き込んで不況に陥れる、といったような行き過ぎた悲観論は、眉唾ものだと考えている。

・なお、中国の長期的な地位低下は、世界経済にとって悪いことばかりではない。世界の物価を、川上(原材料価格)と川下(消費者物価)にわけてみると(図表3、原材料価格は毎年のブレが大きいため、5年間の平均上昇率で計算)、かつては川下価格の上昇率の方が高く、その分企業は利潤を稼ぐことができた。
・ところが、冷戦の終結後からグローバル化が進み、新興国が生産拠点となり始めると、まず最終製品の競争激化により、川下価格の上昇率低下が始まった。さらに中国が生産拠点として高成長を遂げ巨大化すると、いわゆる「資源がぶ飲み」状態が進み、原材料の需要が拡大して、川上価格の上昇も引き起こされた。すなわち、中国が、どんどん原材料を買い入れて価格をつり上げながら、安い労働力を使って安価な製品を輸出したため、他国の製造業企業は、川上インフレと川下デフレの挟み撃ちにあい、収益を圧迫されたわけだ。
・これが、中国の生産拠点からの転落と経済成長の鈍化により、原材料需要が抑制されて川上インフレが穏やかなものになる(そこには、世界の省資源の動きも力を貸すだろう)うえ、川下製品の価格が、競争の緩和と世界的な労働コストの上昇でデフレから緩やかなインフレとなれば、世界の製造業企業にとっては収益の改善要因となりうるだろう。実際の物価動向をみると、図表の右の方(一番右端のデータは、2013年の予測値)では、そうした川上と川下の挟み撃ちの緩和が始まっているようだ。

(図表3)

 

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