2013年1月4日時点での主要市場見通し

・なお、シェールガスからやや話は広がるが、上記のようにエネルギー価格に対する抑制圧力により、資源国の中でエネルギー産出国(ロシア、中東)には逆風が吹きかねないと考えている。またレアメタル・レアアース(プラチナを含む)は、資源が希少であるため価格高騰リスクが高く、また産出地域が偏っているため、政治的なリスク(輸出制限の発動や鉱山のストなど)も無視できない。したがって、ユーザー側が、たとえばレアメタル・レアアースなどを使わない製品の開発を急ピッチで進めている。こうした動きの加速は、中国や南アフリカなど希少資源の輸出を行なっている国々にとって、悪材料になるだろう。
・その一方で、ベースメタル(鉄、銅など)、木材、主要農産物(小麦、大豆、トウモロコシなど)は、価格が比較的安価であり、幅広い地域で産出されるため、政治的なリスクも低い(リスクがゼロだと言っているのではない)。このため、資源を使う側に、省資源や代替資源の利用などの動機が薄い。したがって、今後の世界景気の持ち直しに沿った、資源需要の増加が期待される(ただし価格面では、農産物は天候要因によってかなり攪乱されうる)。こうした世界の動きは、豪州、ブラジル、カナダなどの経済にはプラスに働こう。
 

2.中国経済の長期的な地位低下

・中国経済は、様々な構造問題を抱えている。そうした問題は長期的なものであるだけに、数年、数十年先から表面化すると考えていたが、早くも昨年から噴出し始めた感も強い。そうした構造的な問題とは、下記のようなものである。
①少子高齢化:中国の今後の少子高齢化の進展は、同じアジアにおける大国であるインドと比べても、明白である(図表2)。図では、ほぼ5年ごとの推移を示しているが、中国の生産年齢人口(ここでは、世界標準に従って、15~59歳で定義、日本における統計上の定義は15~64歳)のピークは、2014年と予想されている。既に経済水準の向上に沿って上昇している中国の賃金は、働き手が減少することにより、さらに上昇が加速化しうる。
このため中国経済は、これまでのような安価な製品の輸出という形では立ち行きにくくなるだろう。高付加価値品の生産に移行して経済の停滞を回避する、という展開はありえなくはないが、高度な機械類を用いて生産を行なうためには、これまでのようなエリート層を中心とした教育ではなく、幅広く将来の工場労働者に対する教育レベルを底上げすることが必要だ。また内需中心の経済に移行する可能性もゼロではないが、産業の構造改革を行なうには、後述の構造的な問題が障害となりうる。また、中国では、年金・社会保険制度が完備していないため、高齢化が進むと、年金がなく医療保険もない高齢者が増え、社会問題化するだろう。社会問題化を避けるためには、今から皆年金・皆保険を進める必要があり、それは財政上の負担が膨大となる。中国では少子高齢化のことが「未富先老」と呼ばれているそうだ。先進国は、経済的に豊かになってから高齢化が進んだが、中国では豊かになる前に高齢化が始まってしまう、という意味だと聞く。

(図表2)

②都市と地方の格差:単なる所得格差だけではなく、都市居民戸籍と農民戸籍が分離されている。これが国民の不満を産み、社会不安を引き起こす種の一つとなっている。それではと、戸籍を統合すれば、都市に人がなだれ込むので、地方が人を引きとめるほどの経済基盤と公共サービスを提供する必要がある(地方財政の圧迫)。教育レベルにも格差があるので、前述のような幅広い層への教育水準が、なかなか高まらない(それがまた、格差意識を産んでいる)。
③政府による経済運営、国有企業の肥大:これまでは、そうした中央集権的な経済運営がうまくいった時期もあったが、重厚長大産業に偏って、経済の非効率化が残っている。その解消には、市場原理を活かし、民間の起業・廃業のメカニズムにより産業の再配分を行なう必要があるが、それができにくい。また、既存の産業と政治との癒着により、権益を産んでいるため、前述のように高付加価値産業や内需産業に移行しようとした場合に、既存産業が抵抗勢力として立ちはだかる。

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