2013年大胆すぎる経済予測――極端なリラックスムードが市場に蔓延

大胆予測⑥ 1ドル=60円まで円高が進む

衆議院選挙で政権奪還を果たした自民党は、選挙公約に「円高対策」を掲げていました。しかし、現実の政権運営の厳しさ、参院における与党の過半数割れ状態、日本銀行の抵抗などから、導入される政策は中途半端なものばかりです。一方、市場では自民党の政権復帰が現状打破と円安をもたらすという期待が強まっています。新たな世界的な金融の量的緩和を求める声は市場からは聞こえなくなり、リスク志向は弱まります。そうした中で、日本円が、デフレと海外投資利益の国内還流を背景に、一時的に世界で最も強い通貨として再び注目され、円キャリートレードが復活します。円の対米ドル相場は60円まで円高(ドル安)が進み、クロス円取引ではさらに激しい円高の動きが顕著となります。皮肉なことに、自民党政権と日銀はより過激な円安誘導策の導入を迫られます。

大胆予測⑦ 香港は米ドルペッグを終了し、人民元ペッグへ移行する

中国は人民元の実質的な米ドルペッグ制の廃止に向けた政治的な動きを強めます。そのための大きな一歩として、中国の特別行政区である香港が香港ドルのペッグ先を米ドルから人民元に切り替える動きに出ます。他のアジア諸国も香港に追随する気配ですが、それはアジアにおける貿易パターンの変化と米ドル建て外貨準備を際限なく積み上げるというこれまでの国策の転換を反映したものです。中国は同時に、人民元の兌換性を高める動きにも出ます。その狙いは、開発途上国やフロンティア地域、商品産出国への影響力を強めるという大きな目標に沿って、世界貿易に占める中国のシェアを拡大することにあります。こうして、外貨準備の主要通貨としての優位性の一部を米ドルからもぎとろうとする中国の動きがついに始まります。中国が人民元レートの変動管理政策を緩めるために、人民元のボラティリティが高まります。香港は、世界の外国為替取引の主要センターの1つとして、さらに人民元の取引では世界で最も重要な市場として一気に浮上します。

大胆予測⑧ 1ユーロ=0.95スイスフランに上昇

欧州連合(EU)のテールリスク(発生確率は低いが、一旦発生すると甚大な損失をもたらすリスク)が、恐らくイタリアの選挙、あるいはギリシャの欧州経済通貨同盟(EMU)からの離脱、それにスペインやポルトガルが追随する可能性への懸念から再び悪化します。その結果、スイスへの資本流入の増加が再び起こり、スイス国立銀行(中央銀行)とスイス政府は、スイスフランのユーロ固定(ペッグ)制の一時的な停止を発表します。スイスでは、2011年から2012年にかけて国外からの資本流入が急増したために、外貨準備が倍以上も増え、GDPの3分の2に相当する規模に達しました。対ユーロ相場を固定し続けることで、外貨準備の総額がGDPの100%相当を突破する事態を放置するより、ユーロペッグ制の停止を選んだというわけです。当局による資本流入抑制策や資本取引規制が奏功して、スイスフラン高には歯止めがかかります。しかし、それは、2011年に対ユーロでパリティ(等価)に迫るフラン高を記録したときを超える史上最高値を付けたあとの話です。

大胆予測⑨ スペイン経済はデフォルト寸前、国際利回りは10%に高騰

市場は欧州連合(EU).の南欧諸国について見落としていることがあります。それは、南欧社会の緊張がEUにシステミックリスクをもたらす可能性についてです。特に注意が必要な国はスペインです。スペインでは、180万強の人々が月平均400ユーロ以下の可処分所得で生活を余儀なくされています。4700万の人口のうち雇用者は1700万人ン非過ぎません。スペインの失業率は全体で25%、25歳以下の若年層では50%を超えます。それに加えて、スペイン北東部に位置し、比較的に豊かなカタルーニャ自治州はスペインからの分離独立の動きを見せています。欧州中央銀行(ECB)とEUはスペインに低金利融資による支援策を受け入れさせようとしていますが、スペインの官民を合わせた負債総額は国内生産(GDP)の400%を超える規模まで膨らんでいます。それよりひどい国は日本だけです。社会的緊張が高まるスペインでは、政府は今以上の歳出削減(緊縮策)を打ち出すことは容易ではありません。2013年、スペイン国債は投資不適格の「ジャンク債」前格下げされます。さらに、社会的緊張が重なり、スペインは瀬戸際に追い詰められます。その結果、スペインはEU官僚機構による問題の先送りに振り回されることを拒みます。国債の格付けの引き下げ後、利回りは急上昇に転じ、市場はスペインのデフォルト(債務不不履行)は不可避と判断して、そのリスクを債券価格に織り込む動きを加速させます。

大胆予測 ⑩ 米国債は2013年中に30年国際利回りが倍になる

アメリカの30年国債は、今後30年間の期待収益が実質0.4%(現在の利回り2.8%から市場の期待インフレ率を示すブレークイーブンインフレ率2.4%を引いた数字)になることを示しています。しかし、その水準の収益は長くは続きません。それは、際限なく続く金融の量的緩和策とアメリカの信用格付けが引き下げられる可能性(財政の構造改革に取り組むことができない場合)が強制インフレを引き起こすからです。米連邦準備制度理事会(FRB)は長期にわたって低金利を継続させるだろうと予想されていますが、2013年には、その事実上のゼロ金利がFRBの金融政策を脅かすかもしれません。事実上のゼロ金利が続けば、債券投資家が運用利益を得るには他の運用手段に乗り換えるしかないからです。世界の債券市場の規模は157兆米ドルで、株式市場の時価総額55兆ドルのほぼ3倍に相当します(マッキンゼー社2011年8月「Mapping the global markets」リポート)。国債の運用収益がゼロか、さらにはネガティブリターン(資産運用費用差し引き後)となれば、代わりの運用先として魅力が出てくる商品は株式です。ミューチュアルファンドが債券の組み入れ比率を10%減らすだけでも、上記の債券市場と株式市場の比率から単純計算をすると、株式市場の資金量は30%増となります。そうなれば、金利が上昇に転じるのみならず、運用利益の点では、これまで延び延びになっていた債券より株式優位の10年間が始まる可能性があります。

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