2013年の経済と市場展望、高まる日本株大復活の可能性(文章編)

図表10 米国住宅投資/GDP比率推移
図表11 米国セクター別雇用推移

ユーロ情勢も緩慢な改善が見込まれる。南欧諸国での緊縮財政と超高金利による需要圧縮圧力は2012年がピーク、2013年は徐々に改善していくものとみられる。世界にデフレ圧力をばらまくと懸念されている中国経済も相次ぐ金融緩和と公共投資のてこ入れによってひとまず底入れした模様、習近平体制発足初頭という重要な期間でもあり2013年は小康状態が続くと予想される。

世界株高を促進する、一層のリスクテイクの活発化が予想される。①着実な経済成長、②空前の金融緩和、FRB、ECBによる徹底したリスクテイク支援、③インフレ圧力の鎮静化(シェールガス革命と中国からのデフレ輸出による)、という3条件は、絶好の投資環境をもたらす可能性がある。人々は、リーマン・ショック後も、100年に一度の危機が毎年訪れるという、過度のリスク回避心理バイアスのもとにある。その修正は大きな世界的リスクテイク運動を引き起こすだろう。とは言え、インフレが抑制されているうえ、生産性の上昇と好企業収益が維持されているのであるから「悪い金利の上昇」は起きない。米独日の長期金利はマイルドな上昇にとどまるだろう。

資産価格、特に米国住宅価格の上昇は家計のバランスシート問題(ネガティブ・エクイティー=債務が住宅価格を上回る現象)を急速に改善させ、リスクテイク加速の引き金になるかもしれない。銀行融資は増加に転じ、米国、不動産事業での債券発行増加など信用創造も増加している。

図表12 米国住宅価格推移
図表13 米国ビジネス向け貸出推移
図表14 米国商業用不動産価格指数推移

(3)政策転換がもたらす日本のポジティブサプライズ

世界各国の経済政策において、緊縮・清算からリフレへと軸が転換する中、遅れていた日本も年末の政権交代でこれに合流する可能性が出てきた。11月14日解散が確定し12月16日に総選挙が実施されることとなった途端、円は2円の急落を遂げ、11月15日は世界株安の中で日本株の独歩高となった。民主党の敗北、「対デフレ戦争」を唱える自民党安倍総裁の首相就任の可能性が高くなったからである。円がいかに日銀のデフレ容認政策のプレミアムを受けてきたか、株がいかに日銀のデフレ容認策のディスカウントを受けてきたかを物語る。政権が交代し、日銀のデフレ容認政策が根本転換すれば、円と日本株式は劇的転換を見せるだろう。それは2005年の小泉郵政解散時を超える株価上昇をもたらすかもしれない。いや、昭和恐慌から高橋リフレ政策によって倍以上に上昇した1932年の相場に類似する変化が起きることもありえよう。

安倍総裁は2~3%のインフレターゲット、デフレ脱却までの日銀の無制限の金融緩和、日銀法改正を唱え、それを円高・デフレ脱却政策のかなめに据えている。躍進が予想される日本維新の会、みんなの党などもほぼ類似の主張をしている。日本再リセッション化で景気対策が待ったなしとなり、日銀プレッシャーが高まり、長期円安、株高の条件が醸成されている。増税や年金支給額減額など、景気にネガティブに作用するかもしれない案件が野田内閣で一応のめどがつけられた一方、2012年第3四半期のGDPが年率-3.4%と再度リセッション入りの危機に陥った今、景気対策を求める声は待ったなしに高まる情勢である。

図表15 日本の貿易収支推移
図表16 主要国(日米独英)賃金推移

委縮政策から成長政策への転換は、日本経済に好循環をもたらす可能性が高い。最大のエンジンは、資産価格の上昇効果と円安転換を起動とする賃金上昇である。失われた20年に蓄えられた潜在力、①企業のスリム化、② 国内コストの低下、③謙虚な要求(=低水準の賃金、資本リターン)は、ポジティブサプライズの源泉になるだろう。日本は世界の需要創造のセンターになることができる。①膨大な遊休資本の存在、②膨大な潜在失業の存在(若年者のみならず、女性、高齢者等)、③顕著な未充足欲求の存在(=生活水準がまだ低い)、という成長条件がある。加えて極端に割安化した資産価格は、資産価格是正による大幅なキャピタルゲインの可能性を残している。0.9倍のPBRが世界平均の1.7倍に上昇するだけで、株価はほぼ倍増、株式時価総額は200兆円以上増加する。それに不動産価格の上昇の余地も大きい。

世界経済は緩慢な成長が続き、世界的超金融緩和の下では、投資家の終わりのないリスク資産の探求が続く。未開拓の投資対象を求め旅を続ける世界の投資家が、世界経済と市場の中で可能性が残された「処女地日本」に立ち止まる日も遠くはあるまい。リスクは、国内で新政権が金融緩和に十分に積極的になれない可能性が懸念される。2007年以降の円高デフレの主因は、日銀と海外中銀との緩和姿勢の格差である。したがって日銀の姿勢転換で円高是正は大きく進展する可能性があるが、保守的な世論に押されて新政権の金融緩和要求が弱まれば、それが不発になる恐れもある。

図表17 超割安化する日本の不動産価格(ドイツ銀行推計)
図表18 日本の不動産・株式時価推移

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