ミャンマー 新外資法の成立が就学率を高める

4、就学率と直接投資の良循環がポテンシャルを高める

 新外国投資法が成立したことで、外国企業は直接投資による進出がしやすくなるであろう。もう一つ重要な動きは、米国の経済制裁の解除だ。米国は2003年7月から、ミャンマー製品の輸入禁止措置を実施してきた。世界最大の市場・米国に輸出できなければ、ミャンマーに進出する製造メーカーはいない。ミャンマーの製造業、ひいては経済が未発達な一番の原因はここにある(当Webサイト2012年10月18日掲載、拙稿「ミャンマー産業予測の基礎知識:繊維貿易は成長産業か」参照)。

 幸いに、ミャンマーの民主化の動きを評価して、米国は今年11月16日、このミャンマー産品輸入禁止の制裁措置の大半を解除した。これからは、ミャンマーで製造しても、米国に輸出できる。「安価で良質な労働力」が豊富なミャンマーを目指して、アパレル製品をはじめ、労働集約型の外資メーカーの直接投資が増えるのではないか。日本のアパレル企業の直接投資も増加するであろう。

 しかし、現状は、まだミャンマー側にも問題がある。アパレル産業でいえば、ミシンを踏む単純労働力のワーカーは豊富にある。しかし、技術者は不足している。
今の状況では、単純労働集約型産業はまだしも、技術者を必要とする産業の直接投資は容易には増えない。当面は単純労働集約型の発展にとどまろう。ミャンマーの製造業のテイクオフには、米国の制裁措置の解除だけではなく、スキルのある人材の蓄積が必要だ。

 しかし、もう時間の問題だ。新外資法の成立や、米国の経済制裁の解除に伴い、将来、外国企業の直接投資が増えるという期待がミャンマー国民に出てくるであろう。その時、ミャンマーの就学率は一挙に高まるのではないか。それに伴い、労働力の質が高まっていく。直接投資は労働力の質の高い国に来る。直接投資が増え、教育投資の期待収益率の上昇と共に就学率が増え、技術力が向上し、また直接投資が増える。

 就学率と直接投資の良循環が生まれてくる。直接投資の増加に伴い、雇用が増え、国民の所得水準が高まっていく。ミャンマーも、経済発展のポテンシャルが高まってきたと言えよう。永遠の「潜在力ある国」が、現実に経済発展のメカニズムが動き出す。10年後には、1人当たりGDPがASEAN諸国の現在水準位にはなろう。

付表1 アジア諸国の就学率  

付表2 アジア諸国の若者の識字率(15~24歳)
  

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