ミャンマー 新外資法の成立が就学率を高める

2、途中下車組の多いミャンマーの教育実情

 筆者は、この新外国投資法の成立を歓迎したい。それは、外国企業の直接投資を積極化させ、それがミャンマー国民の就学率の向上を導き、労働力の質を高め、それがまた直接投資を呼び込むという“良循環”を生み出そう。経済発展のメカニズムが動き出すのである。

 「安価で良質な労働力」というのが、ミャンマーの外資誘致の謳い文句である。しかし、20余年にわたり大学が閉鎖されていたため、スキルのある人材(技術者)の不足が指摘されている。それが、経済発展の阻害要因になるのではないかと懸念されている。就学率の向上が必要なのだ。実際、いまミャンマーでは「教育改革」が大きな課題になっている。

◇高校のサバイバル率45%
 ミャンマーの就学率は、高等教育に進むにしたがって急速に低下する(表1参照)。義務教育である初等教育でも90%程度であるが(ASEAN諸国の多くは96~98%、付表1参照)、中等教育(中学+高校)の純就学率は51%に低下する。上級中等教育(高校)だけで見ると粗就学率で見ても30%台に低下する(〝純就学率″は30%程度か)。

(注)「純就学率」とは、学齢人口総数に占める同学齢の就学生の割合である。「粗就学率」は学齢人口に対する実際に就学している人(年齢にかかわらない)の割合である。留年のため学齢を過ぎているとか、60歳になってから大学に入るとか、学齢人口以外の人が就学することがあるため、「粗就学率」は純就学率より高い値になる。

 高等教育(大学)は粗就学率で15%である(日本は60%)。ASEAN諸国では、ミャンマーはカンボジア、ラオスと共に、学校教育、特に高等教育の普及率が低い(付表1参照)。

表1 就学率の比較           
表1

 高学年に行くにしたがって、就学率が急減するのは、雇用の場が少なく、教育投資の効果(収益率)が低いからだ。高校に行っても、あるいは大学を卒業しても就職先がないという事になれば、高等教育を受けるインセンティブがない。つまり、経済が未発達で、雇用の場がないことが、高学年に行くにしたがって就学率が急減する理由であろう。後述するように、高校の残存率は45%といわれる。つまり、半分以上は途中で止める。

 逆に、今後、外国企業の直接投資が増え、雇用の場が増えることが期待できるならば、教育投資の収益率が上昇するので、就学率は高まろう。

 なお、小学校の段階でも、途中下車は多い。最終学年(実質上5学年)までに残るサバイバル率は83%と低い。17%もの児童が途中で止めていく(表2参照)。家計の貧困が主たる原因であろう。(注、ミャンマーの教育制度は5・4・2の11年制である。就学年齢は6歳で、16歳で高校を卒業する)。

表2 小学校の最終学年まで在学する者の割合(survival rate)     
表2

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