2012年11月1日時点での主要市場見通し

2.欧州ではギリシャの破綻宣告が先延ばしになった一方、スペイン債購入が前進へ

・欧州の財政問題の解決は、根本的に時間がかかる問題だ。景気低迷もしばらく続くだろう。しかし市場は最終的な解決を見ずとも、解決に向けての道筋が見えてくれば、明るい方向へ動くことができる。
・そうした道筋への最大の障害は、ギリシャ財政であろう。ギリシャ財政は、おそらく破綻は免れない。しかし現状は、破綻するかどうかの問題ではなく、破綻させるかどうかの問題だ。すなわち、欧州諸国がギリシャ向けに支援を行なっている間は、資金繰りが回り、破綻は表面化しない。支援を打ち切れば破綻する。もしギリシャ財政が破綻しても、その影響が欧州他国や金融機関の経営に限定的にしか及ばないと判断されれば、支援の打ち切りが決定し、ギリシャが「掃除」される展開は否定できない。
・そうした支援打ち切りは、早ければ今秋にもありうると考えていたが、どうやらギリシャ財政の査察を受けて、当面は支援継続の方針となりそうだ。そうしてギリシャ財政を延命させている間に、欧州他国や金融機関をギリシャから切り離す「防御壁」を、さらに積み上げる方針なのだろう。

・そうした防御壁の一つとして、ECB(欧州中央銀行)やESM(欧州安定メカニズム)によるスペイン国債の買い入れ計画が発表され、欧州国債市場は落ち着いて推移している。しかし市場の注目は、「その計画が実施されるのか?」という点に移ってきている。
・この計画が実施される前提として、スペイン政府による救済の要請が必要だ。しかし救済を要請するということは、現政府の財政政策が失敗したと解釈され、政治的なダメージとなりかねない。特に10/21(日)には、スペインでは地方選挙(バスク州、ガリシア州)が予定されていたため、その前の救済要請は事実上無理であったと言えよう。
・11/25(日)にカタルーニャ州の選挙が予定されているため、それまでスペインのラホイ首相は救済要請に後向きな発言を続けるかもしれないが、その後スペインが要請を行ない、スペイン国債買い入れ計画がついに実施される展開が見込まれるだろう。こうした動きは、ユーロ相場や欧州株式・債券市場の安定に寄与するだろう(※1)。

※1 ECBによるスペイン国債買い入れは量的緩和である、との誤解が堂々とまかり通っているようだ。ECBは不胎化する(スペイン国債買い入れと同額、他の資産(ドイツ国債?)を売却して資金吸収する)と明言しており、量的緩和では全くない。

3.中国は構造問題があり、政治も不安定さが付きまとうが、これまでよりはややましに

・中国では、いよいよ11/8(木)から共産党大会が開催され、首脳人事等の交代が(形式上)決定される。これまでは、幹部人事を巡る派閥争いが激化していた。党大会で人事が決定されても、背後での政治的暗闘は続くだろうが、決定前の人事の流動性に比べれば決定後は落ち着く(既に党の要職等に正式に就いた人を引きずり下ろすのは大変)と期待される。
・とすれば、今後は経済対策にもう少し本腰が入るだろう、とも考えられる。
・中国の経済・政治は、少子高齢化や政治における派閥争いの激化、国家・国有企業主導の経済運営の行き詰まりなど、長期的には大いに構造問題を抱えている。このため長期的観点からは、中国への投資は勧めにくい。しかし中国がかつてのような高成長国から中成長国に転落しても、中成長国なりに落ち着きを取り戻してくれれば、中国が世界経済・市場に波乱を起こす度合いも低下していくだろう(世界市場は、「チャイナ・プラス・ワン」から「チャイナなし・プラス・ワン」へ)。

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