2012年11月1日時点での主要市場見通し

1.米国は家計中心に景気が底固さを見せ始めており、政治・財政面の不透明要因も緩和方向へ

・米国では11/6(火)の大統領・議会選挙を前に、(通常の選挙前と同様に)政治的な不透明感が強く残ってきた(図4)。加えて、今回が通常と異なるのは、いわゆる「財政の崖」が存在するから点だ。
・「財政の崖」は、今年末でいくつかの減税措置が失効し、来年初から歳出の一律削減が行なわれることで、財政収支が一気に緊縮化し、景気に悪影響を与えることを指す。米議会予算局の試算によれば、「財政の崖」により、財政赤字が2012年度(2011/10~2012/9)に対し2013年度(2012/10~2013/9)は4870億ドル縮小し、このため2013年第4四半期の実質GDP前年比は、「崖」がなければ+1.7%だが、「崖」により-0.5%のマイナス成長へと転落する、と見込まれている。
・しかし「崖」に突っ込めば景気が大きく悪影響を受ける、とわかっていながら、突っ込んでいくことはないだろう。今年内に民主・共和両党が合意し、失効する減税(の全てではないとしてもいくつか)と歳出削減を、たとえば半年や1年の間凍結・先送りし、その間に最終的に残す減税や歳出削減を協議する、という形となるだろう。したがって、「財政の崖」は回避できるだろう、と予想する。
・しかし大統領・議会選挙戦で民主・共和両党が激しく争っている中で、そうした凍結・先送りの合意は無理であった(一部両党の議員が非公式に協議してはいた)。そのため選挙前は、崖の回避がなるかどうか、全くわからない状況であったと言える。

(図4)

・財政がどうなるか選挙前はわからない、という事態を受けて、官需系企業(軍需産業等)を中心に、企業が支出を手控える動きを強めている。全般的な世界景気の不透明感もあって、企業が新規雇用を慎重化し、設備投資や広告宣伝などの支出も抑制している。
・しかし、まず11/6(火)の選挙で、(結果がどうなるとしても)政治的な不透明感が剥落する。加えて年末までに「財政の崖」の先送りが決するだろう。となれば、市場における不透明感も薄らぎ、企業行動もやや活発化することが期待できよう。

・一方、米国景気の状況を見ると、家計部門(個人消費と住宅投資)に、やや明るさが見え始めている。上述のように、企業は新規雇用を抑え目にしているため、雇用者数の伸びは極めて限られているが、少ない人員で景気回復に伴って増大した仕事量をこなしているため、労働時間が伸び、時間外手当も含めて時間当たり平均賃金が増加している。このため、雇用者の週当たり賃金合計額(雇用者数×週当たり労働時間×時間当たり賃金)は、既にリーマンショック前の好景気時をはるかに上回っている(図5)。
・小売売上の金額(図6の実線)も、リーマンショック時の好景気時(図の丸印)を上抜けているのは、こうした賃金増という実態を伴ったものであり、米国経済(家計部門)の実力による回復を示していると言える。

(図5)

(図6)

・発表が一巡した米企業の7~9月期の決算をみると、家計に関連した企業は比較的内容が好調だが、企業支出に関連した企業や外需の依存度が高い企業は、決算内容が総じて不調であった。しかし、家計部門の緩やかな回復が持続することに加え、「財政の崖」が回避されて企業部門も景気回復に加われば、徐々にではあろうが米国経済の回復色がより鮮明となり、米国株価、米国長期金利、米ドルの上昇が明確となっていくだろう。

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