間近に迫る政策転換~日本に定着した「反成長主義」の一掃を~

(3) 間近に迫る政権交代、妖怪追放のチャンス

米国の成功例を教訓に

「反成長主義」の影響力は甚大である。成長の意義を認める人々に対してでさえも、成長に対する意欲を失わせる。たとえば、ロゴフ・ラインハート著「This time is different」邦訳名「国家は破たんする」は過剰なバランスシートの膨張とリスクテイクは破綻し、事後の低成長を余儀なくさせるという、時には正しく、時には誤った議論を絶対化し、バブル崩壊後は何をやっても無駄という悲観・諦観を植え付けている。それは現在の金余り(=低金利)、人余り(=高失業)は金融資本主義の狼藉にあり、そのつけは容易には解消できないという「反成長主義」論者の論拠にもなってきた。日銀はそうした世界観に立ち「金融政策の限界」を言い募ってきた。
しかし、日本の円高デフレは人々の忍耐の限界を超えた。競争力を失うグローバル企業、賃金下落と雇用条件悪化に苦しむ労働者(特に若者)、収益悪化と企業規模の縮小を余儀なくされる国内サービス企業、特に中小企業は、忍耐の限度を超えた。怒りを持って現状変革を強く求め始めている。

好材料はバブル崩壊後の米国が、デフレに陥った日本の軌跡を辿らないことがはっきりしたことであろう。日本は、デフレを回避し、株高とリスクテイク心理とアニマルスピリットの喚起に成功した米国の成功例から学ぶことができる。そうした成功例の前に、今や日銀の傍観者的デフレ観が誤りであることがはっきりしてきた。ゼロまでの金利引き下げ以降も、金融政策の手段は限りなくあり、人々のリスクテイクを後押しし続けることができる。中央銀行がリスクテイカーの側に立てば、リスク回避者は白旗を上げざるを得ない。日本でも量的金融緩和、中央銀行による資産購入は確実にリスクプレミアムを引き下げ、投資を促進するはずである。それは大きな好循環を引き起こす可能性が大きい。

野田首相が近いうちに解散すると約束した以上、解散・総選挙は年内または来年初頭に行われるであろう。その場合、現実性のある責任政党に進化できなかった民主党の大敗は確実であろう。経済困難、ハイテク産業で失われた競争力、尖閣問題に見る中国の台頭と日本のプレゼンスの低下、日米同盟に対する再認識など、政策アジェンダがはっきりし、民意のベクトルも揃ってきた。「55年体制」の遺物が完全に払しょくされ、日本は安全保障においても、経済においても、「反成長主義」の払拭により普通の国になるだろう。

日銀も大批判に直面する。白川総裁の任期満了を目前に控え、政策転換必至であろう。政策が転換すれば、日本株式の大転換が始まる可能性は大きい。

日本は世界の需要創造のセンターになることができる。①膨大な遊休資本の存在、②膨大な潜在失業の存在(若年者のみならず、女性、高齢者等)、③顕著な未充足欲求の存在(=生活水準がまだ低い)、という成長条件がある。加えて、極端に割安化した資産価格は、資産価格是正による大幅なキャピタルゲインの可能性を残している。0.9倍のPBRが世界平均の1.7倍に上昇するだけで、株価はほぼ倍増、株式時価総額は200兆円以上増加する。それに不動産価格の上昇の余地も大きい。

世界経済は緩慢な成長が続き、世界的超金融緩和の下では、投資家の終わりのないリスク資産の探求が続く。未開拓の投資対象を求める旅を続ける世界の投資家が、世界経済と市場の中で、可能性が残された「処女地日本」に立ち止まる日も遠くはあるまい。

図表4-5

図表6

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