何故デフレ脱却が最大の構造政策なのか~日本は対中依存から内需に舵を切れ~

図表5

図表6に1995年以降の米国のセクター別雇用数推移を示す。過去15年間米国では、労働生産性(物的生産性)が大きく上昇し所得創造=経済成長をけん引した製造業、情報産業で雇用が大きく減少した一方、労働生産性(物的生産性)が余り上昇したとは思われない
教育医療、娯楽、サービス等の産業群で雇用が大きく増加した。所得が製造業・情報産業からサービス産業に向けて移転し、サービス産業では雇用増加を可能にする所得が確保され続けたのである。その所得移転の主たる経路は、サービス価格インフレであった。

デフレはまた究極の貨幣偏愛をもたらし、金融市場がリスクキャピタル提供の場として機能することを阻害した。20年間のデフレと株価、地価など資産価格の下落により、cash is king メンタリティーが定着した。その結果極端なリスク回避がおき、リスク資産に全く資金が配分されなくなっている。株式益回りは8%と社債利回り1%の8倍もあるのに、資本が向かわない。いわば資本は現金として死蔵され、金利裁定は停止した。

図表6

(3)円高がデフレを生み、サービス産業を痛撃した

世界の労働は一物一価
デフレの最大の原因は円高である。世界の労働市場は一物一価、同一労働同一賃金の原則が貫徹しつつある。生産性を上げぬままに賃金を引き上げても、それはインフレ→通貨安となって逆襲される、つまり世界賃金に回帰する。同様に生産性を上げぬままに通貨高になっても、国内賃金下落を引き起こし世界賃金に収斂する。執拗な円高は国内賃金下落圧力を定着させ、日本に世界唯一のデフレをもたらしたと言える。

それは図表7に見る各国の労働賃金と単位労働コストの推移から明らかであろう。日本の労働生産性のトレンドは主要国中最優良である。にもかかわらず賃金は下落している。その結果各国通貨ベースの単位労働コストは日本だけが著しく低下している。しかしながら単位労働コストをドルベースで比較すると日本のトレンドは他国並みとなる。つまり著しい円高が日本の賃金を抑制してきたのである。

よって円高阻止、円安転換は日本の賃金に上昇圧力を与える。デフレ脱却のための創造的、壮大な金融緩和が求められる。

日本は世界で最も需要創造余力がある国ともいえる。金融不良債権、銀行の資本不足と言った欧米共通の成長制約要因は存在しない。加えて極端に割安化した資産価格は、資産価格是正による大幅なキャピタルゲインの可能性を残している。0.9倍のPBRが世界平均の1.7倍に上昇するだけで、株価はほぼ倍増、株式時価総額は200兆円以上増加する。それは日本の金融市場でのリスクテイクと金利裁定を復活させ、デフレ脱却を可能にするだろう。今こそ円安と株高、不動産などの資産投資促進に照準を当てた金融政策が求められる。日本は需要創造により世界貢献を目指すべきである。

図表7

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