[ミャンマー産業予測の基礎知識]繊維貿易は成長産業か

3、米国の経済制裁とミャンマーの縫製業

 人口1人当たり縫製品の輸出額を見ても、ミャンマーの凋落ぶりは深刻だ。先に表2で見たように、人口1人当たり縫製品輸出額は中国106㌦、バングラデシュ124㌦、タイ51㌦に対し、ミャンマーはわずか13㌦である。低い。これはミャンマーの実力であろうか。他に産業が発達し縫製業に労働資源を回せないならばともかく、他に産業は無く、縫製業で雇用があれば幾らでも拡大できるはずであるのに、低い。
 
 ミャンマーは、「安価で良質な労働力」の国と評価されている。縫製業は「労働集約型産業」の典型であるのに、何故、ミャンマーの縫製業はここまで「低迷」しているのか。
 
 図2は、ミャンマーの縫製品輸出の推移を見たものである。図2に見るように、2001年まではミャンマーの縫製品輸出も順調に伸びていた。しかし、主力輸出先であった米国向けが02年、03年と下落し、2004年からゼロになった。ミャンマー縫製業の発展が中断したのは、米国のミャンマー製品輸入禁止措置の効果である。欧米以外向けは比較的順調に伸びている。(注、欧米では2001年頃から消費者の不買運動活発化。また、米政府は2003年7月にミャンマー製品の米国市場への輸入禁止措置を発動した)。
 
 もし、欧米の消費者不買運動や米国の輸入禁止措置がなければ、安価で良質な労働力を目指して、もっと多くの外国企業がミャンマーに直接投資で進出し、縫製産業を発展させていたに間違いない。ミャンマー製造業の未発達、ミャンマー経済の停滞は、「宿命」ではない。本来あるべき水準より低い。人為的な「政治不況」に他ならない。

図2 ミャンマーの縫製品輸出の推移

 2011年以来、ミャンマーは民主化を急いである。米国政府もこれを評価し、近々、ミャンマー製品の輸入制限を解除するという。これが実現すると、ミャンマー経済発展の桎梏がなくなる。欧米の経済制裁の下、ミャンマーは長年、本来の「能力以下」の生活を強いられてきた。民主化で、その桎梏がなくなるのである。勤勉で豊富な労働力を要するミャンマーにとって、大きな可能性が出てくる。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> [ミャンマー産業予測の基礎知識]繊維貿易は成長産業か