週間相場展望(2012.10.9~)~欧州債務問題の展開に注目~

 今週(10月8日~10月12日)は、欧米のイベントに左右されやすくなると思われる。まず、国内では週初の9月景気ウォッチャー調査の発表に続き、9月工作機械受注、8月機械受注統計、9月オフィスビル市況といった指標の発表が予定されている。中でも、最も注目されそうなのは機械受注統計であろう。今回は、前月の反動もありプラスが見込まれているが、足元の国内景気は先の日銀短観に見られるように減速しており、設備投資が足踏み状態にあるような結果が示されると関連銘柄などに売り圧力が強まる公算がある他、マーケットセンチメントを後退させる可能性もある。さらに、景気ウォッチャー調査では街角景気の現状を確認することになるが、好悪いずれの結果になったとしても心理的な影響にとどまる程度であると思われる。また、オフィスビル市況では都心5区の空室率の改善傾向が示されるようだと、不動産株などが動意づく場合が多いため、発表後の関連銘柄の動きを注視したい。
 
 なお、今週は国内では8月決算会社の業績発表が相次ぐ。業種的には、小売り、外食、サービス業などが中心であり、いわゆる“内需関連”といわれる銘柄である。これらの業種は、為替や海外動向など、比較的外部環境に左右されにくい業種だけに、業績の安定感が好感されている。ただ、国内景況感の悪化で消費に盛り上がりが見られない状態が確認されるようだと、後に続く3月決算銘柄の四半期業績発表に悪影響が及ぶ可能性もあるだけに、前哨戦という意味を込めてその結果には一喜一憂するかもしれない。
 
 海外では、まず米国では先週とは一転して経済指標の発表が急減する週となるため、国内マーケットへの影響は限定的になりそうだ。個別では、週末に発表される10月のミシガン大学消費者信頼感指数などに注目したい。9月確報値は速報値に対して下方修正されたものの、5月以来の高水準を維持しているため、この傾向が維持されるのかどうか、それとも世界的な景気の減速感を背景にネガティブな結果になるのかどうか、見極めるべきであろう。
 
 これに対して、今週より米国では主要企業の7~9月期決算の発表がスタートする。9日(火)のアルコアを皮切りに週内にはシェブロン、チャールズ・シュワブ、コストコ・ホールセール、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、グーグルなどが発表される予定である。米国企業の決算は、我が国関連業界に対する影響度が大きいだけに、現状及び先行き見通しがどのように変化しているのか、景気の動向とあわせ要注目のイベントであろう。
 
 一方、今週は欧州情勢に注目したい。まず、週初の8日(月)にはユーロ圏財務相会合が開催される他、重債務国への救済機関であるESM(欧州安定メカニズム)が発足する。そして、翌9日(火)にはEU(欧州連合)財務相理事会が予定されている。そして、スペインがESMに金融支援を要請するかもしれないといった観測も浮上している。ポイントはスペインの動きであり、同国が金融支援を要請すれば欧州債務打開に向けたスキームが前進すると見られており、市場のムードは急速に好転する可能性もあろう。さらに、財務相会合などで今後の展開を確認することになると思われるが、域内の協調姿勢が示されるようだとユーロへの信認が回復し、景気へも前向きな効果を及ぼすと考えられる。
 
 国内の需給動向に関しては好転の方向にあるように見受けられる。東京証券取引所が発表した9月28日申し込み現在の信用買い残は4週連続で減少した一方、売り残も3週ぶりに減少した。買い残の減少は、3月高値の期日が到来したことで手仕舞い売りが拡大したことが背景と推察される。買い残の減少は将来の売り圧力の減退になるだけに、需給改善の一因として好感できる動きではある。ただ、売り残も減少しているが、これは世界的な金融緩和の後、景気の減速感が強まり、相場の方向性が見極めにくくなったためではないだろうか。ただ、買い残が整理されていることで、先行きの投資家の買い余力は高まっており、株価下落局面では下支え要因として働くかもしれない。
 
 同じく先週東京証券取引所が発表した9月28日現在の投資部門別売買動向によると海外投資家は2週連続で売り越すなど、円高や企業業績に対する不透明感が増大してきた国内株に対する海外勢のスタンスは鈍い。世界的に見ても日本株は出遅れ感が強いものの、外部環境に左右されやすいマーケットだけに、情勢の好転を待つことが必要であろう。
 
 為替市場に関しては、先週は緩やかながら円相場は軟化傾向を辿り、週後半には日銀金融政策決定会合で追加緩和が打ち出されるのではないかといった観測が浮上、一時的に円下落に拍車がかかった。しかしながら、金融政策は据え置きになったことで手掛かり材料が出尽くした今週は、欧州の債務問題を睨みながら、ユーロがどのような動きをするのかがポイントであり、債務問題に楽観的な見方が広がるようだと円は弱含むことも想定されよう。
 
 先週は、円相場の軟化期待から日経平均株価は11営業日ぶりに5日移動平均線を回復したが、依然として25日線は下回ったままであるため、今週は為替及び米国企業の決算、そして欧州債務問題の展開を受けて移動平均線を上放れるのか、それともさらなる下値模索状態が続くのか、そのトレンドを見極めていくことになろう。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。

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