2012年10月1日時点での主要市場見通し

・このように、世界市場の大枠のシナリオである「売られ過ぎた相場が、まあまあの経済実態に向かって上方修正が入る」という見通しには変わりはなく、株価や外貨(対円相場)などの下落トレンド入りは想定する必要はないだろう。しかし当面は、世界市場における不透明感が強く、上値追いが始まるのに時間がかかりそうだ。

・なお、このところ中国の景気動向について、不安感が強まっている。目先の中国経済については、過度な心配をする必要はないだろう。
・というのは、既に利下げや預金準備率の引き下げ、投資の拡大など、景気支持策は打ち出されている。沿岸部の景気減速を、内陸部が支える構図も健在だ。また、11月8日から開催と(ようやく)決定した共産党大会で、大きな人事異動が行なわれる(ただし党大会では、内々で既に決定した人事を形式上承認するだけで、現実にはほぼ決定しているものと推察される)。この人事異動に向けて、出世のため、各地方の景気を刺激し、自分の手柄としてアピールしよう、との動きが、国のあちらこちらで生じただろう。

・むしろ懸念されるのは、中国の長期的な先行きであって、そのほころびが、現時点で既に見え始めていることだ。具体的に長期的な懸念とは、以下の通り。
① 少子高齢化:国連の予想では、15~59歳の人口は、2014年がピークで、2015年から減り始める。これは労働力人口の減少を通じて、一段の賃金の上昇を招き、「世界の工場」としての中国の優位性を失わせる。また中国は全国民が年金や健康保険に加入できているわけではないので、年金も健康保険もない高齢者が増えれば、社会不安につながりうる(社会不安を招かないため、皆年金・皆保険にするのであれば、財政負担が膨大となる)。
② 都市と地方の格差:単なる所得格差だけではなく、都市居民戸籍と農民戸籍が分離されている。戸籍制度を統合すれば都市に人がなだれ込むので、地方が人々を引きとめるほどの経済基盤と公共サービスを提供する必要がある(地方財政の圧迫)。
③ 政府による経済運営、国有企業の肥大:うまくいった時期もあったが、経済の非効率化が残り、権益を生む。
④ 政治基盤の弱体化:そもそも国家の中枢にいる背景理由が希薄化(以前は、建国の英雄であることが背景理由であり、その後しばらくはそうした英雄に指名されたことが理由となった)。これが共青団VS太子党、既得権益派VS改革派の対立を激化。
⑤ 中国ビジネスが各国で反発買う:ラオスの鉄道計画、アフリカ諸国の鉱山開発などなど。ビジネスではないが、南沙諸島問題などもくすぶる。
⑥ 対中投資の減少:米国は「インソーシング」(生産拠点の米国への回帰)を、法人減税や州政府による補助金などで進める構えだが、その狙いは経済的なもの(景気や雇用)ではなく、対中国の安全保障と外交か。

・以上より、中国経済が短期的に急速に悪化して世界経済を巻き込むとは想定していないが、中国に対する長期投資は、勧めにくいと考えている。

以上、見通しの背景。次ページから、前月号見通しのレビュー。

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