週間相場展望(2012.10.1~)~中国の経済指標やECBの動向に注意しつつ、国内では信用需給に加え、業績修正などの動きに注意~

 今週(10月1日~10月5日)は、国内外の景気指標に加え、海外の注目イベントなどに注目する週になると思われる。まず、国内では週初に7~9月期の日銀短期経済観測調査(以下、日銀短観)が発表される。注目の大企業製造業業況判断指数について、前回は▲1と3ポイント改善した他、次回(7~9月期)は+1と、さらに上向くと予想されていた。しかしながら、足元では円相場の高止まりに加え、領土問題を巡る日中情勢の緊迫化及び中国進出企業への収益的な影響、そして欧州景気の減速感などが高まったことで業況判断指数は▲3~▲4と、再度悪化するというのがコンセンサスとなっている。このように、景気の回復期待が後退すると市場心理にも影響を及ぼすことが予想され、ネガティブに反応する可能性は高いと思われる。さらに、次回(10~12月期)の見通しも重要であり、好転するのか、停滞するのかといったことにも注目したい。

 そして、週末にかけては日銀金融政策決定会合が開催される。前回の会合では、資産買入基金の増額などを決めたが、マーケットではインパクトが小さいと見做され、それが円相場の軟化しなかった一因とされているだけに、今回は前回から間隔が狭いとはいうものの、日銀短観などの結果を受けてサプライズ的な緩和策を打ち出すのではないかといった観測も根強い。この思惑を巡って駆け引きが繰り返されそうだ。

 海外では、まず米国では引き続き経済指標の結果がポイントであろう。今週は、週初に9月のISM製造業景気指数を皮切りに、週半ばには9月ADP全米雇用レポート、9月ISM非製造業景気指数、8月製造業受注指数、FOMC(連邦公開市場委員会)議事録公表と続き、週末には世界が注目する9月の雇用統計といった重要指標が相次いで発表される。回復傾向が芳しくない製造業関連指標の結果は当然のことながら、米FRB(連邦準備制度理事会)が重視する雇用情勢に回復の兆しが表れているのか見極めていかなければならないため、景気の現状を織り込みながらも、週末にかけては模様眺めムードが広がる可能性もあろう。

 また、週初には中国物流購買連合会が9月の製造業PMI(購買担当者景気指数)を発表する。同指数は8月に、製造業活動の拡大・縮小の分岐点である50を昨年11月以来、9ヶ月ぶりに下回るなど、景気の後退感が広がっている。今回も前月以上に悪化すると世界的にも悲観的見通しが広がりかねず、ネガティブインパクトをもたらしそうなだけに注視したいところである。ただ、今週の中国市場は国慶節のため1週間休場となるため、直接的に金融市場には影響は及ばないと思われるが、関係の強い豪州や欧州などの通貨安を通じて我が国にも悪影響が及ぶかもしれない。

 欧州に関しては、引き続き債務問題の広がり、中でもスペインの動向からは目が離せそうにない。同国が救済機関に対して金融支援を要請するのかどうかがポイントであり、要請が遅れるようだと財政立直しの動きが後退するため、債務問題打開に向けたこれまでの取組みが停滞する可能性もある。ただ、緊縮財政策を決定して金融支援を要請するとなると、国内で不満が広がりかねず、デモなどの動きが拡大することで情勢が不安定になるということも考えられるため、その落とし所に注目したい。

 加えて、欧州では週後半にECB(欧州中央銀行)理事会が開催される。前回の会合では、ECBが重債務国の国債を無制限に買い入れることを決めたことで不安心理が後退したが、ここにきてのスペインを巡る不安定な情勢を見ていると、何らかの追加的な施策が発動される可能性もありそうだ。この他、欧州では今週、8月失業率・生産者物価・小売売上高、4~6月期GDP(国内総生産)確報値などの経済指標が発表される。これらにより、域内景気の減速感が深まっているようだと、金融緩和などの期待感が広がるのではないだろうか。

 国内の需給動向に関しては幾分、良化の方向にあるように感じられる。東京証券取引所が発表した9月21日申し込み現在の信用買い残は3週連続で減少した一方、売り残は2週連続で増加、信用倍率は2.53倍と2週連続で低下した。3月高値の期日が到来したことで手仕舞い売りが広がる中、日中情勢の緊迫化や中国及び欧州の景気後退感の高まり、そして円相場の高止まりなど、外部環境の悪化を嫌気して新規の買いを見送ったことが背景ではないかと推察される。買い残の減少は、今後の投資家の余力拡大という観点からはプラスに考えてよいのではないだろうか。

 なお、同じく先週東京証券取引所が発表した9月14日現在の投資部門別売買動向によると海外投資家は3週ぶりの売り越しに転じるなど、国内株に対する海外勢の動きは本格化したとは言いがたい。日中情勢の悪化や、円相場の高止まりなどで、国内企業業績に下押し圧力がかかるのではないかといったようなことを意識しているためではないかと推察される。海外勢の本格参戦には状況の好転を待つ必要がありそうだ。

 為替相場に関しては、先週はその前の週の日銀による追加金融緩和が欧米に比べて見劣りするといった見方から、緩和に伴う円売り効果が早くも崩れる中、欧州ではスペインを巡る財政再建に向けた動きに不透明感が広がった他、世界的な景気減速感の高まりで投資家のリスク回避スタンスが再燃、円を買う動きが活発化。特に、対ユーロでは約2週間ぶりに1ユーロ=99円台に突入するなど、円高圧力は根強い。今週も、欧州債務問題や米国景気の動向次第では円が強含む展開が続くかもしれない。

 先週は、日経平均株価は強弱感が対立したものの、75日移動平均線をサポートラインにして下げ止まりの様相を見せたが、下期相場入りとなる今週は、四半期決算の見通しなどにも左右されやすくなると思われる。信用需給に加え、業績修正などの動きに注意が必要になるであろう。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。

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