☆ビジネス・レポート第三十一号☆

よりよい行動を考える
人間は、よりよくできる、上達するといった有能感を得られると楽しくなります。さらに向上しようという意欲が高まります。それによってさらに上達できれば、外的な報酬を必要とすることなく、内発的によりよい行動を図るようになります。
有能感を高めるうえでの留意点は、次の3つです。第一は、これまでと同じことを単に繰り返すのではなく、これまでより、よりよくするために考え、学び、工夫すること。「出来るだけ頑張る」ではなく、何を、どうすると、これまでより、よりよくできるのかを具体的に考えましょう。
第二は、よりよい行動になったかどうかを具体的に確認すること。ミスが減った、作業時間が短縮した、待ち時間を削減したといった定量的な測定だけでなく、定性的な評価も有効です。例えば、イ)現状を把握したうえで、広く関係者から直接話を聞く、ロ)問題解決にあたって複数の選択肢の長所・短所を検討する、ハ)相手の知識や経験、状況に合わせて適切なリーダーシップ・スタイルを使い分ける、といった行動を的確に取れたかどうかを判断します。
第三は、上手く行かなかったときに、それを自分の能力不足と考えるのではなく、努力不足あるいは外的要因の影響と捉え、次回、よりよく取り組めば、上手くできるはずだと考えること。努力の余地、工夫の余地、学びの余地があったことを自覚し、それらを克服すれば、自分を伸ばすことができます。

前向きな感情を生み出す
人間の行動は、感情に左右されます。頭で理解していても、感情が伴わないと望ましい行動につながりません。例えば、米の在庫は余剰気味ですから、冷静に考えれば、買いだめの必要がないのは明らかです。ところが、スーパーの店頭から米が消えているというニュースが流れると不安になります。不安になると、脳の自己防御回路が強くなり、不必要な買いだめに走ってしまいます。不安や恐れを抱いた人に「冷静に行動してください」と言っても効果がないのはこのためです。
気分が落ち込んでいる人に「明るく元気に頑張りましょう」というのも同様で、効果は期待できません。気分が沈んでいると、将来に対して不安な気持ちになり、悪い点に目が向きがちで、さらに不安が増してしまいます。「頑張りましょう」と言われても、何を、どうすればよいのか上手く考えられません。さらに不安が増幅します。同様に、変えられない過去の出来事を悔んだり、他人の過失を責めると、ネガティブな精神状態になって、よいアイデアや考えが出て来ません。
こうした際には、身の回りでの出来事などに感心、感動、感謝することで感情をリセットしましょう。避難所に避難している小中学生がボランティアで炊き出しや清掃をしてくれている、被災地の自転車屋さんが無償で被災者の自転車を修理してくれているといった行動に感心・感動すると、自然に自分でできる他人への手助けを考えるようになります。これまでにお世話になった人々に感謝の手紙を書いたり、言葉で伝えることも有効です。
幸い、心が温まり、精神が高まるテレビなどの報道が数多く見られます。それらに、大人だけでなく、子どもたちも共感して、ポジティブなよい精神状態で考え、よい行動を実践するに違いありません。物理的な復興に先立ち、徳の高い文化・社会を育てる芽が各地で萌え出しているのではないでしょうか。

注:ポジティブ心理学とは、一時的な快楽や物欲に陥ることなく、徳のある行動を通して、肯定的な精神状態で、よりよい人生を生きることを主眼とした科学的な裏付けに基づいた心理学です。


SBI大学院大学教授 重田孝夫

 
*このレポートは2011年4月12日に配信したものです。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。

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