中国製造業の海外進出

工場の中国転出

 日本企業を含む外資系企業各社は中国の賃金上昇を重く捉え、対応する方策を考え出しています。多くの企業はチャイナプラスワンという方針を打ち出し、中国以外にも東南アジア諸国に生産拠点を作り、分散を図っています。また、米国企業は、オバマ大統領のInsourcing政策に則り、米国へ拠点の再移転を行う動きが出てきています。
 一方、最近になって、中国企業の中でも工場を海外に移転する動きが一部ではありますが、出てきました。運動靴メーカーの裕元工業もその一社です。裕元工業はNikeやアシックスなど有名ブランドの委託生産先として発展してきた香港上場企業で、近年まで中国に全ての生産拠点をおいていました。しかし、中国の賃金上昇により、利益率の低下が数年続き、株式市場における評価も一時に比べて低くなりました。そこで、裕元工業もより安価な労働力を求めて、ベトナムに進出しました。
 オリンピック直前に比較的に駆け込み需要があるなど需要の波が強く、納期に対してシビアなスポーツシューズは中国に残す一方、製造工程が比較的に簡単で、しかも季節性が薄く、納期に対してそれ程厳しくないレジャーシューズは全てベトナムに移すという経営方針を打ち出し、徐々に実行しています。
 こうしてみると、中国の世界の工場としての地位も磐石ではないように思われます。

賃金上昇がもたらすもの

 中国の人件費上昇は、必ずしもネガティブなものばかりではありません。生産・輸出拠点としての中国は魅力が落ちつつありますが、消費大国としての地位は一方でますます高くなってきています。
 2011年1-6月の中国家庭の平均支出額は3450元(約4万5000円)で、2010年7-12月の3053元(約4万円)と比較すると、僅か半年で約13%増加しています。上海、北京などの大都市は中国全平均の約2倍に達していることを考えますと、日本と同じ消費水準(約32万円、平成22年総務省調査)が来る日もそれ程遠くないように思われます。
 消費大国になりつつある中国には、以前と異なる顔ぶれの企業が進出を加速しています。ユニクロ、無印良品、コンビニ各社などを筆頭に日系企業でも特に消費者関連の企業が店舗展開を加速しています。
 このように、同じ中国関連でも、時代の変化とともに、恩恵を受けられる企業のタイプが変わってきています。
 

このページのコンテンツは、スパークス・アセット・マネジメント㈱の協力により、転載いたしております。

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