2012年8月1日時点での主要市場見通し

・以上より短期的には、世界の株価や外貨の対円相場、国際商品市況(天候要因で急騰した穀物を除く)、日米独の長期国債利回りなどは、現水準から底を抜けて下がる可能性は小さいが、上昇も抑えられるような展開になるだろう。

・しかし中長期的に、今年年末に向けての動きや来年の市場動向を考えると、徐々にリスク資産価格が上昇基調に入るものと予想される。

・たとえば米国景気は中だるみ状態ではあるが、たとえば雇用情勢を、数字の振れ幅が大きい非農業部門雇用者数ではなく、失業保険申請者件数でみると(図3)、回帰分析により導いた、保険申請者件数が示唆する雇用者数前月比(図3の点線)は、緩やかだが比較的着実な雇用者数の持ち直し傾向を示している。

(図3)
図3

・中国などの主要新興諸国においては、既に景気支持のための金融緩和策は発動されている。その効果が顕著に表れるまでは時間はかかろうが、いたずらな悲観論に与する必要もないだろう。

・欧州財政問題については、財政赤字の削減は、時間がかかる取り組みで、即効策はない。特に、ギリシャは経済がマイナス成長を続けており、税収も縮小すると見込まれる。そのなかで、実効性の高い赤字削減策を実行するには、国内での猛反発が予想され、事態の改善は難航するだろう。このため、(すぐにではないが、年末までのどこかで)ギリシャ政府の資金繰りが行き詰まり、他欧州諸国からの支援も見切られて、ギリシャ国債が全面的なデフォルト(いわゆる「無秩序なデフォルト」)に陥る可能性は高い(※2)。

・しかし、市場に催促されながらも、欧州諸国の対応策は、しだいに積み上がっている。目先は市場の催促と政策対応の繰り返しになりうるが、ECB(欧州中央銀行)もさらなる緩和策を繰り出し、ドイツも最終的には欧州共同債の発行をのむものと見込まれる。
・欧州諸国の政治的な意思は、ユーロ解体ではなく、逆に一段の統合(財政統合、政治統合)へと向かっている事実は無視しがたいだろう。

・このように、世界の経済・金融情勢の好転と、それに伴う世界株価・日米独の長期金利・外貨(対円)相場・主要国際商品市況の上昇を予想する。世界の情勢が好転すると言っても、世界経済が高成長に復するわけでもないし、金融情勢に対する不安が一気に雲散霧消するわけでもない。しかし、現状のように「世界経済は地獄に落ちる」といった妄言に惑わされかかっている市場が、「まあままそこそこ」の世界の実態に沿った水準へと価格修正が生じるだけでも、見込んでいるような相場展開はありうるものと考えている。

以上、見通しの背景。次ページから、前月号見通しのレビュー。

(※2)ギリシャ国債のデフォルトと、同国のユーロからの離脱は、同意ではない。筆者は、欧州諸国は、ギリシャデフォルトの影響が自国の国債相場や銀行の経営に影響しないよう「防波堤」をしっかり建てたうえで、ギリシャをユーロ圏内にとどめたまま、ギリシャ財政をデフォルトで「掃除」するものと予想している(防波堤を積み上げて、ギリシャを詰み上げる)。

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