週間相場展望(2012.7.30~)~米国のイベントに一喜一憂する1週間か?~

 今週(7月30日~8月3日)の見通しとしては、国内マーケットは米国のイベントなどに大きく左右されると思われる。国内要因としては6月の鉱工業生産が注目材料であるが、一方では今週も4~6月期決算の発表が数多く予定されているため、経済指標よりも企業業績に関心が向かうのではないだろうか。特に、足元では円相場が強含んでおり、当初の前提よりも円高水準で推移していることから、先行きの業績見通しには下方修正圧力がかかりやすくなっている。実際に、輸出関連企業や製造業を中心に業績の下方修正が相次ぐようだとファンダメンタルズ(基礎的条件)の悪化から株価は下値不安が高まる可能性があろう。米国同様、主要企業の業績動向に一喜一憂することになりそうだ。
 
 そして、国内マーケットに最も大きな影響を及ぼしそうなファクターとして米国のイベントに注目したい。まず、今週米国で発表される経済指標としては順に、6月個人消費支出・個人所得、5月S&Pケースシラー住宅価格指数、7月シカゴ購買部協会景気指数、7月コンファレンスボード消費者信頼感指数、7月ADP全米雇用レポート、7月ISM製造業景気指数、6月製造業受注指数、7月ISM非製造業景気指数、そして7月雇用統計といったものがある。いずれも注目度の高い指標であるため、今週は米国の景気の現状及び先行き見通しなどが株価に反映されやすくなるであろう。中でも最大の注目指標は週末に発表される雇用統計であり、かつ、そこに至るまでに発表される住宅関連並びに製造業関連などにも注目したい。雇用情勢を巡っては、その改善ペースが遅いといった見方が多く、結果次第では株式相場へのインパクトが大きいため、週末には様子見ムードが広がる可能性もあろう。また、住宅関連に関しては、7月に発表された結果はまだら模様の様相を呈している他、製造業関連も足元では芳しい結果となっていない。

このため、米国の景気の実態が悪化しているようだと米国でも追加の景気対策が講じられる公算は高い。それを見極めるのが7月31日~8月1日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)であろう。各種経済指標を受けて米FRB(連邦準備制度理事会)が追加的な金融緩和策などの措置を講じる可能性が指摘されているだけに、実際に新たな対策が発動されると世界的にも大きなポジティブインパクトをもたらすことになると思われる。
 
 一方、その他の注目点としては中国の7月製造業PMI(購買担当者景気指数)やECB(欧州中央銀行)理事会、そして南欧の各国の国債入札などが挙げられよう。景気の減速感が懸念されている中国の製造業PMIがさらに低下しているようだと同国においても景気刺激策などの思惑が浮上するかもしれない。さらに、欧州に関してはスペインの財政問題が深刻化していることで同国債の利回りが上昇している上、ギリシャの債務再編の動きなどからユーロに下押し圧力がかかっており、決して楽観できる状況にはない。
 
 特に、ユーロ圏債務問題は依然として先行きに明るい見通しが見えてこない他、関係各国の思惑が交錯している。7月に発足する予定であったESM(欧州安定メカニズム)に関してはドイツで違憲だとして提訴され、9月に判決が出されるなど、支援体制を巡っても紆余曲折が予想されそうであり、引き続きマーケットを左右するファクターに変わりはないであろう。債務問題にわずかでもネガティブな動きがあれば即座に国債利回りが上昇するような地合いだけに、波乱を想定しておくべきと思われる。欧州に関しては、要人発言やECB理事会での内容に注意したい。
 
 為替相場に関しては、欧州債務問題を巡っては早期に抜本的な打開策が見つかる公算が小さい上、問題の深刻さを考えると、対円では引き続き下押し圧力が継続すると思われる。先週は、約11年ぶりの円高・ユーロ安の水準をつけたが、場合によってはこの流れが加速するかもしれない。一方、ドルに関しては、米国の景気の現状をどのように見るかによって異なってくると思われる。経済指標が好転した場合、ドルへの見直し買いが入る可能性もあるが、欧州不安が高まりそうな中にあっては、円選好の流れが強いことから、ドルの反発も限定的になるかもしれない。さらに、経済指標が悪化した場合、FRBによる金融緩和策などの思惑が高まるため、ドルは弱含みになることも考えられる。ただ、円買い・ドル売りが進行するようだと、昨年の夏のように日銀による円売り介入が実施されるかもしれず、ドル円は強弱感の対立しやすい展開になるのではないだろうか。
 
 需給動向はやや厳しい方向にあるようだ。先週、東京証券取引所が発表した7月20日現在の信用取引動向によると、信用買い残は5週連続減少した他、売り残も2週連続減少した。しかしながら、信用倍率は3.03倍と2週連続で上昇するなど、買い残が重荷になりつつある。日経平均株価が6月4日を意識して2番底を窺うかのような地合いにあるため、リバウンドしたとしても戻り待ちの売りに頭を抑えられそうだ。しかも、今後は夏休み本番を迎えるため市場参加者が減少することが予想され、実需の落ち込みから、先物などに振られやすくなる展開になるかもしれない。ただ、一部のテクニカル指標などでは割安感を示唆するシグナルも見え始めており、押し目買いを狙っている投資家は多いのではないだろうか。このため、今週は薄商いの中、需給や思惑に左右されやすい相場になると考えられよう。
 
 なお、先週は円相場の高止まりや、欧州情勢などを巡る先行き不透明感から主力の輸出関連銘柄などでは安値を更新する銘柄がみられた一方、好業績が予想される内需ディフェンシブ系が人気化するなど、投資家の銘柄選別における2極化の傾向は強まりつつある。今週も、業績動向次第とはいうものの、外需系売り・内需系買いのトレンドが継続すると予想されよう。また、ロンドンオリンピックが開幕したことで、それに関連する銘柄や、サマーストックなど、テーマ性のある銘柄などにも物色の矛先が向かう可能性もありそうだ。
ただ、例年8月相場は1年のうちでも日経平均株価の前月比でのパフォーマンスは極めて悪い月であるということは念頭に入れておきたい。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。

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