週間相場展望(2012.7.23~)~企業業績と景気見通しに注目~

 今週(7月23日~7月27日)の見通しであるが、国内要因では4~6月期の企業業績、そして対外ファクターとしては米国の企業業績と景気動向、そして中国や欧州の債務問題を巡る動きが再燃しそうなことが相場のポイントになるのではないだろうか。
 
 まず、国内では先週末にスタートした4~6月期決算の発表が本格化するため、その結果が手掛かり材料になるであろう。我が国に先駆けて発表がスタートした米国では、事前の市場予想に比べて結果はそれほど悪くないといった見方が広がっており、このことがNY市場の底堅さにつながっていると推察される。そして、我が国主要企業の決算であるが、4~6月期は前年が東日本大震災後の影響で厳しい結果を余儀なくされただけに、今回に関してはその反動もあり悲観的な見方は少ないように思える。しかしながら、長期化する円相場の高止まりや、中国経済の減速感の高まり、ユーロ圏債務問題の深刻化などを背景に、市場予想に比べて悪い内容になったり、次期(第2四半期)及び通期が慎重な見通しとなった場合、株価へのネガティブインパクトが強まりかねないということには注意が必要であろう。このため、日々発表される個別企業の決算内容に一喜一憂する可能性は高いであろう。
 
 そして、我が国マーケットに大きな影響を与える海外要因としては、まず米国の企業業績及び景気動向(経済指標)に注目したい。米国では4~6月期決算の発表が3週目に入りピークを迎えるが、引き続き注目企業の決算発表が予定されていることもあり、その動向からは目が離せないと思われる。これまで発表された企業のように、特に大きなネガティブファクターもなく、波乱なく通過するようであれば米株相場にとってはマイナス要因にはならず、むしろ先行きに対して前向きな見通しが示されるようだと、株価を支援する格好になるのではないだろうか。
 
 そして、同時に発表される注目経済指標で景気の現状を確認することも忘れてはならない。今週は、週初の6月シカゴ連銀全米活動指数を皮切りに、5月FHFA(米連邦住宅金融庁)住宅価格指数、7月リッチモンド連銀製造業景気指数、6月新築住宅販売件数、6月耐久財受注受、6月NAR(全米リアルター協会)中古住宅仮契約販売指数と続き、週末には4~6月期GDP(国内総生産)成長率が発表される。最も重要なのはGDPであるが、それに先立って発表される住宅関連指標など、足元で良好な結果が示されている指標で景気の立ち直り傾向が確認されるようだと、世界の金融市場にとってはかなり前向きな影響が広がるのではないだろうか。なお、GDPに関して、今期は前期に比べてやや良化するというのがコンセンサスになっているため、市場予想を上回るようだと株高に拍車がかかることが期待できよう。
 
 一方、米国以外では欧州情勢が気になるところである。欧州では、新たな救済機関であるESM(欧州安定メカニズム)の発足が遅れている上、今週はスペイン政府が自国の銀行部門の資本増強に向けた支援を要請する予定となっている。これに関して、先週ドイツの財務相が、EFSF(欧州金融安定化基金)などから銀行への直接資金供給に関してスペイン政府が責任を負うべきと発言するなど、同国金融機関救済を巡る動きは紆余曲折を迎えそうである。そして、週後半に開催されるEU(欧州連合)財務相理事会における議論の内容などを巡っても思惑が浮上する可能性は高く、欧州債務問題の懸念が再燃するかもしれないということには注意したいところであろう。ドイツの7月Ifo景況感指数も重要である。
 
 加えて、今週は中国に関してHSBCが7月の製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値を発表する。ここにきて、同指数は軟調な傾向にあるが、前月以上に落ち込んでいることが確認されるようだと同国経済を巡る不安感が再燃し、通貨などが過剰に反応することで各国マーケットに波乱をもたらすことも想定できよう。
 
 為替相場に関しては、主要通貨に関しては、先週は比較的落ち着いた動きであったが、今週はボラティリティの大きい展開になると思われる。特に、ユーロはスペインの銀行救済を巡って波乱が起こるかもしれず、下押し圧力が強まるかもしれない。中国の景気見通しの影響も大きく受けるだけに、対円でユーロは下値模索の展開になると考えられる。ドルは、GDPなど経済指標の結果次第であるが、景気の方向性がポジティブであると、ドル回帰の動きが再開する公算もありえよう。一方、経済指標が市場予想を下回ると悲観論が台頭しそうであるが、この場合、翌週に開催される米FOMC(連邦公開市場委員会)で金融緩和が打ち出されるとの見方が多いため、ドルもユーロ同様、軟化傾向が強まるかもしれない。基本的に、円は強含み状態が続くと思われる。
 
 需給動向にも注目したい。先週、東京証券取引所が発表した7月13日現在の信用取引動向によると、信用買い残は4週連続増加した他、売り残は8週ぶりに減少、信用倍率は2.94倍と8週ぶりに拡大した。日経平均株価が比較的底堅く推移している他、米国企業の業績に対する信頼感の回復、及びそれに伴う国内株の先高期待などから押し目買いが入ったことが背景と推察される。ただ、国内企業の決算発表は今週から本格化するだけに、投資家の様子見姿勢は強まりこそすれ弱まることは考えにくい。株価がこう着状態を強めた場合、今後信用の買い残が重荷になる可能性があることには注意したいところである。
 
 先週は、円相場が高止まりしたことで輸出関連銘柄が冴えない動きになる一方、好業績の内需系銘柄が選別物色される傾向が強まった。今週は、欧州情勢を巡る動きが気になりそうな中、円が強含むようであれば内需系銘柄への選好度が強まるかもしれない。しかも、中国や欧州、さらには米国の景気見通しに関してネガティブな見方が広がるようだと、外需系銘柄は手掛けにくくなるため、内需中心の動きは一層加速することが予想されよう。今後、国内の企業業績が好材料にも悪材料にもなりうる上、時期的に夏季休暇入りする投資家も増えそうなため、値動きが荒っぽくなる公算は大きい。例年、夏相場は非常にパフォーマンスの悪い時期でもあるため、個別の手掛かり材料を慎重に見極めた上で相場の方向性などを確認すべきであろう。

このページのコンテンツは、SBIホールディングス㈱様の協力により、転載いたしております。

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