週間相場展望(2012.5.14~)~米国景気の先行きとユーロ情勢に注目~

 先週(5月7日~5月11日)の国内株式市場はユーロ圏、中でもフランスとギリシャの選挙結果を受けて投資家心理が一喜一憂、ユーロ売り・円買いが進行する中、外部環境を見極めたいとのムードが広がり、週を通して下値模索の展開を余儀なくされた。この他、国内企業の2013年3月期決算見通しに対しても市場予想に比べると保守的との印象が強まったことで企業業績の回復を手掛かりとした期待感も大きく盛り上がることはなく、全体的に方向感に乏しい展開が続いた。

 週初の日経平均株価は、その前の日の6日に実施されたフランス大統領選決選投票及びギリシャの総選挙の結果を強く意識する地合でスタートした。特に、フランスの大統領選では緊縮財政政策に反対し、成長路線を掲げる社会党のオランド氏が現職のサルコジ大統領に勝利した他、ギリシャの総選挙では緊縮派の与党2大政党が大きく議席数を減らした一方、「反緊縮派」の野党が議席数を伸ばすなど、いずれも財政緊縮路線に反対する政党が躍進した。このため、これまでドイツとフランス主導で進めてきたユーロ圏財政問題建て直し策や安全網の構築などのスキームに変更が生じるのではないかといった不安感が台頭、域内債務問題再燃への警戒感が広がることとなった。

 特に、ギリシャでは議席数を伸ばした急進左派の党首が、ギリシャがEU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)から受け入れた金融支援は無効と発言したと伝えられるなど、同国の財政再建が頓挫する動きも表面化。さらに、議席数を減らした与党と躍進した野党が新たな連立政権樹立に向けて協議を行ったが、物別れに終わりそうなことで、6月にも再選挙を行う方向に追い込まれるなど、同国の政局動向が国際金融市場の不安定要素として強気意識され始めてきた。

 さらに、フランスでは選挙後、特にネガティブな動きは目立たなかったものの、政権を握った社会党は、同国で6月に議会選挙が行われるため、ここで勝利しないことにはスムーズな政権運営に支障をきたすとの思惑から、同国でも6月の選挙まで政局の行方は予断を許さない状況下にある。なお、ユーロ圏債務問題ではフランスのサルコジ前大統領とドイツのメルケル首相が金融安全網構築を推進してきたが、その一翼がなくなりそうなだけに先行きの債務問題に対する各国間の思惑の違いが顕在化するようだと、金融システム不安の拡大を通じて、将来的に大きなネガティブインパクトは避けられないといった観測も広がってきている。両国の動向に目が離せなくなりつつあるようだ。

 このような欧州情勢の一方、先週の米国市場では特に注目すべきイベントなどが見当たらなかったこともあり、我が国同様、欧州情勢を睨みながらの展開となった。NYダウは、ユーロ圏債務問題の再燃に対する警戒感から週半ばにかけて6営業日続落、目先の節目をことごとく下回るなど、株価はダウンサイドリスクを強めた。ただ、新規失業保険申請件数が市場予想に反して改善したことなどもあり、週後半には落ち着きを取り戻した。

 また、先週末には中国で注目経済指標が発表された。4月の消費者物価は前年同月比3.4%増と前月の伸び率を下回った他、生産者物価は同▲0.7%となった。特に、後者は景気減速感の高まりで企業間取引が低調になっていることが示された格好であり、物価情勢からは金融緩和に動いてもおかしくない状況にある。そして、鉱工業生産は同9.3%増と約3年ぶりの低い伸び率に沈んだ。

 国内では3月期決算の発表がピークを迎えたが、今期の2013年3月期決算が市場予想に比べて概ね保守的な見通しとなったことで市場には失望感が広がり、相場全体が業績相場に移行するといったムードではなく、個別銘柄の選別物色にとどまるなど、いま一歩、盛り上がりに乏しかった。ユーロ情勢への懸念が国内要因以上に重石になったようだ。

 外国為替市場では、円は特にユーロに対して買い先行の地合いが続いた。フランスやギリシャの政局動向の不透明感を背景に投資家のリスク回避スタンスが盛り上がり、安全資産としての円買いに拍車がかかり、一時は約3ヶ月ぶりの高値水準まで上昇する場面が見られた。なお、ドルは特に手掛かり材料が見当たらない中、ユーロ情勢に関心が向かったことで対円では小動きの展開となるなど、様子見ムードの強いトレンドとなった。

 このような中、先週の日経平均株価はその前の週と比べて426.94円(4.6%)安と6週連続で下落した。週間の平均売買高は同22.2%増の18億1,811万株、平均売買代金は同12.6%増の1兆1,709億円であった。

 今週(5月14日~5月18日)は、引き続き欧州の情勢が気掛かりとなる中、米国の景気動向にも再度、関心が高まるのではないだろうか。欧州、特にギリシャを巡っては先週末、緊縮財政に反対する穏健左派政党「民主左派」が緊縮財政を指示する第3党の全ギリシャ社会主義運動に挙国一致内閣の設立を提案するなど、緊縮財政推進派に対する態度を軟化させつつあることが伝わった。ただ、緊縮財政の見直しについて政策を擦り合わせることができるかという難題がある他、他の反緊縮派が参加するかどうも不透明であり、事態の進展は紆余曲折が予想されよう。

 連立政権樹立を巡って同国の政局が一層混迷化するようだと、不信感から投資家のリスク回避姿勢はさらに深まることも想定されよう。さらに、ギリシャ情勢が嫌気されれば重債務国であるスペインやイタリア、そしてポルトガルにまで心理的な悪影響が及び、これらの国々の国債利回りが上昇する懸念もある。今週の欧州情勢に関してはギリシャがポイントになるであろう。

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