中国の投資環境

1、金融引締めの影響

金融引締めとは、景気過熱やインフレを抑制するために中央銀行が政策金利を引き上げて、お金の流通量の減少を図って景気を冷やす金融対策です。一般的には、金融引締めは、株価や経済の重石となる可能性があり悪材料視されることがありますが、景気拡大局面当初の利上げは、景気拡大が利上げによる悪影響を吸収し、株式市場や経済が活性化することがあります。

下図は、成長著しいBRICsのGDP成長率と政策金利ですが、ご覧の通り、中国はBRICsの他国と比べ成長率が高く、政策金利との差に大きな開きがあります。つまり、現在の中国の経済成長から勘案すると多少金利が上昇したとしても、株式市場や経済が過度に冷やされることはなく、金融緩和の状態が継続すると予想されます。中国の2010年のGDP成長率は、10.45%(IMF予想)であり、現在の政策金利と比べても十分な差があり、利上げが継続されたとしても行き過ぎた景気過熱、いわゆるバブル懸念を払拭させるための調整に重点を置いたものと理解できます。

BRICsのGDP成長率と政策金利

2、第12次5ヵ年計画と人民元高

中国には、政府が経済や国力を新たなステージに引き上げることを目的として、今後5年間の重点事業や経済運営のあり方を定める「5カ年計画」があります。来年は、第12次5カ年計画がスタートする新しい年です。今回の第12次5カ年計画における最大の重点分野は、内需拡大です。前回の第11次5カ年計画においては、沿岸部と内陸部の調和といった内容も盛り込まれてはいますが、最大のキーワードは、産業構造の合理化であり、産業や製品及び企業組織構造の合理化や研究開発費の増額、また知的所有権とブランドの強化など、企業の国際競争力の強化に重点が置かれています。言い換えれば、これは中国政府が、輸出主導での経済成長戦略を取っていたことを意味し、通貨政策としては人民元高を抑制するスタンスが取られていたといえます。

一方、来年からスタートする第12次5カ年計画は、内需拡大が最大のテーマであり、具体的には、「輸出産業から内需産業へ」、「第一次産業から第二次・第三次産業へ」、「労働・資本投入と資源多消費から全要素産業生産性の向上と資源節約・生態保全へ」の3つの転換を掲げています。

この新たな経済成長戦略の背景には、第11次5カ年計画で掲げられた目標が順調に達成されるばかりでなく、目標を大きく超えた急激な経済成長が生み出した「不協調、不均衡、持続不可能」な構造的問題を解決するという目的があります。つまり、質を伴った経済成長戦略が求められており、具体的には、個人消費の拡大、サービス業比率の上昇、また都市化の推進など、消費主導による内需型の経済政策に重点が置かれることになります。同様に、通貨政策もこれまで取られていた人民元安を維持する政策から緩やかな人民元高を容認する政策へ転換すると考えられます。2010年6月19日に発表された人民元相場の弾力性を高める方針もこの一環といえ、今後益々人民元高傾向は加速していくと考えられます。

第11次5ヶ年計画(2006年~2010年)の目標と進捗

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