対中国輸出依存度30%の到来(前編)

 2020年には、日本の輸出の中国依存度は30%に達する。対米輸出依存度が30%に達したときは貿易摩擦が深刻化した。しかし、対中国の場合、輸出依存度の上昇は貿易摩擦ではなく、「中国に飲み込まれる」という警戒論の高まりとなり、日本の国論を二分することになろう。
 日中間でFTA(自由貿易協定)が締結されれば、日本の中国依存度は早い段階で優に35%を超えるであろうが、日本の国内世論はそこまで成熟しているであろうか。包括的なFTAは「日本の覚悟」が問われているといえよう。ここにFTAの問題点と限界がある。

1、対中国依存度の上昇

◇3年後、対中輸出20兆円-前人未到?

 中国向け日本の輸出は、すでに米国向けを抜いた。2009年の地域別輸出額は、中国向け10兆2356億円、米国向け8兆7333億円であり、中国がトップになった。長年、日本の輸出相手国としては米国が第1位であったが、逆転したのである(図1参照)。中国は人口13億を背景に巨大な輸入吸収力を発揮し、各国の輸出を引き付けているが、日本もその例外ではない。

 表1 日本の中国向け輸出の推移

輸出額 前年比 (参考)ドルベース
10億円 % 伸び率
1988年 1,214 1.3 ・・・
1995年 2,062 7.7 17.2
1996年 2,382 15.5 2.1
1997年 2,631 10.4 -0.7
1998年 2,621 -0.4 -7.9
1999年 2,657 1.4 16.5
2000年 3,274 23.2 30.2
2001年 3,764 15.0 1.9
2002年 4,980 32.3 28.2
2003年 6,635 33.2 43.9
2004年 7,994 20.5 27.6
2005年 8,837 10.5 8.2
2006年 10,794 22.1 16.0
2007年 12,839 18.9 17.8
2008年 12,950 0.9 14.4
2009年 10,236 -21.0 -12.7
2010/1-6月 6,259 40.9 ・・・
推計
2010年 13,400
2011年 15,400 15.0
2012年 17,700 15.0
2013年 20,300 15.0

(出所)財務省「貿易統計」
(注)2011、12、13年の推計は前年比増加率15%として試算した。

 図1 日本の輸出依存度の長期推移(対米、対中)
日本の輸出依存度の長期推移(対米、対中)

(出所)財務省「貿易統計」

 仮にこのまま中国向け輸出が伸びた場合、日本の対中輸出はどうなるか試算した。過去の実績を参考に(表1参照)、2011年以降、年率15%で増加すると仮定すると(2010年ドル価格ベース)、2年後の2012年には対中輸出は18兆円になる。3年後、2013年には20兆円になる。

 日本は長年、米国に輸出市場を求め経済発展してきたのであるが、その米国向け輸出はピーク時で17兆円である(2006、7年)。対中輸出は2年後に17兆円を超え、過去の米国向けピークを超える。そして、3年後の2013年には20兆円になる。1カ国向けの輸出額としては前人未到の規模である。ちなみに、世界最大の輸出国の地位を長年保持してきたドイツでさえ、1カ国向け輸出の最高額は2008年の対仏向け15兆円(対米向け11兆円)であった。近未来の日本の対中国向け輸出額の大きさが分ろう。

 ただし、「前人未到」と思いきや、一人先人がいた。近年の中国の対米輸出である。中国の対米輸出は2006年2039億ドル(24兆円)、2007年2332億ドル(27兆円)、2008年2528億ドル(26兆円)である。中国の米国市場への依存度、米国の中国への輸入依存の大きさは、世界の中で想像を絶する存在になっている。この米中の貿易結合度の高さが両国の政治的緊密さの背景であろう。

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