JAL会社更生法適用との観測 ANAは大丈夫か?

 次に利益の比較。こちらも決算が入手できる直近期(2009年4-9月期)で、当期純利益を比較してみました。下のグラフの通り、両社共に最近の2半期(2008年10月 -2009年3月、2009年4-9月)続けて赤字であることは変わりないものの、ANAの赤字幅はJALに比べると非常に小さい250億円程度となることが分かります。この 程度の赤字規模であれば、4700億円ある自己資本で当面は吸収可能、ということになるのでしょう。

 次はオフバランスになっている資産・負債を見てみます。2009年4-9月期の半期報告書がまだ提出されていないため、2009年3月末ベースの数字となります。

 退職給付債務は、年金資産や引当金を差し引いた残りが700億円。未経過リース料期末残高相当額1,948億円と合わせて、約2,700億円のオフバランス債務があることになります。一方、資産サイドでは、オンバランスの航空機が約6,800億円(オンバランスのリース航空機含む)で、オフバランスのリース航空機がリース債務と同額の2,700億円あるとします。

 ここから、バランスシートへの調整をすると、
オフバランスの航空機等をオンバランスに +2,700億円
合計約9500円の航空機が時価半額とすると -4,700億円
オフバランスの債務をオンバランスに    -2,700億円
2009年10-12月で4-9月の半分程度の赤字があったと仮定 -120億円
合計すると  約-4,800億円

 2009年9月末時点の自己資本が4,700億円でしたので、この合計と比較すると、トントンといったことになります。JALは7,000億円の債務超過、ANAはトントンといった財務状態のうえに、収益力の差が存在していることを考えると、同じ業界とは言え、ANAはJALとは状況が異なると言えそうです。

 なお上記の計算は、特に航空機の時価評価について半分というのは乱暴すぎるのと、燃料価格ヘッジのためのデリバティブの損失などを考慮していないため、あくまで同じやり方をJALとANAに当てはめたときにどうなるか、という意味での参考値に過ぎない点ご注意ください(JALについては、法的整理は必至?JALの“7,000億円”債務超過を試算するをご参照ください)。

(当レポートは、vizlogの同名コンテンツを、みんなの株式向けに再編集したものになります。)

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