ESG投資をいかにROEに結びつけるか

・9月に企業価値創造ERM学会で、野村證券クオンツアナリスト張替一彰氏(金融工学センター、クオンツ・ソリューション・リサーチ部)の話を聴いた。テーマは、「エンゲージメントとERMの視点から見たESGのあり方」であった。いくつかの興味深い論点について議論してみたい。

・2017年6月のアベノミクスの成長戦略において、日本の大企業は欧米と遜色のない収益力の水準を目指すべく事業を強化せよ、と掲げている。鍵は事業の新陳代謝にあり、そのためにコーポレートガバナンス(CG)改革に一段と力を入れるべし、と未来投資戦略は語っている。

・TOPIX500 (除く金融)の2016年度のROEは9.4%であった。一時の5%台から上昇し、8%を超えてきた。米国のS&P500(除く金融)は14.6%であったから、その差はまだ大きい。この時のROA(総資本税引利益率)は日本3.6%、米国5.3%であった。いずれの差も主因は売上高利益率にある。

・日本がROAで5%を目指すには、売上税引利益率で7%はほしい。そうするとROEは13%に近づこう。こうした財務的なKPIは結果であって、第一義的な重心は企業価値創造の仕組みにある。ビジネスモデル(BM)を作りかえることによって、結果としての利益を創出するというのが本筋である。そのための先行投資、ポートフォリオの見直し、競争優位の確立が決め手となる。

・企業価値の創出にESGはどう役立つのか。機関投資家がESGに関するエンゲージメントを高めたら、企業の収益力は上がるのか。これを短絡的に結びつけようとしても、かなり無理がある。ESG(環境、社会、企業統治)は企業のサステナビリティ(持続性)に役立ち、中長期の企業価値創造を支えるものである。企業が直面するさまざまなリスクを低減させて、結果として価値向上に資する、というのが一般的な論理である。本当だろうか。

・GPIFは、3本のESGインデックスを運用に採用した。これは、ESGをポジティブ・スクリーニングとして利用したものである。野村のクオンツ分析によると、これらのESG指数は平均的にみて、TOPIXに比べて、①資本効率性が高く、②資本コストは低い、という特長を有する。つまり、ROIC-WACCのスプレッドが高い。

・ESGの評価機関はいろいろあるが、GPIFが採用したMSCIとFTSE RussellのESGスコアのウエイトをみると、MSCIではE 30% 、S 42%、G 28%のウエイト、FTSEは同31%、37%、32%と、野村では推計している。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> ESG投資をいかにROEに結びつけるか