欧米の取締役会の実効性~建設的対話とアクティビストのインパクト

・一方で、執行を任務とするマネジメントを監督する立場なので、執行の内容について独自に語ることはできない。その線引きはフェアディスクロージャーの観点からも難しい面がある。何もふれないのでは、そもそも対話の場に出ていく必要はないし、投資家からは失望されるだけである。

・社外取締役と投資家との対話は本来望ましい。とすれば、そのルールを定めて、その内容についてよく合意しておく必要がある。IRの一貫として、同じ土俵に乗って活動するというのが基本である。

・1)取締役会が実効性を上げているか、という観点から社外取締役と対話する、2)会社が抱えている課題に対して、投資家のニーズをよく知っておくために対話する、3)執行サイドと同じ範囲のディスクローズになるとしても、社外取締役が自分の言葉で話す中で、会社の価値創造の仕組みについて、投資家に理解が深まる、ということは十分期待できよう。

・ラッセルレイノルズは、コーポレートガバナンスについて、アンケート調査を行った。世界120カ国の1000人にアンケートを出して369名から回答を得た。

・効果的な取締役会(effective board)とは、①リーダーシップ:議長がファシリテーターとなって、異なる見解を引き出しているか、②戦略:深いレイヤーで軸合わせができているか、③構造とプロセス:よくないところを修正してけるか、④役員と構成:戦略に合わせてフレッシュな状態を確保しているか、⑤カルチャー:独立した考えを持ち、異議を言える文化ができているか、にあるとして分析を進めた。

・サーベイの結果をみると、国による差は意外にも小さかった、とオケリー氏はいう。よい社外取締役(ディレクター)とは、1)投資家のニーズをよく理解し、2)マネジメントと信頼関係を築き、3)常に最新の情報を含めて問題に当たり、4)全力で参加してエンゲージメントを行う人である、と指摘する。

・世界を代表する機関投資家は、バンガード(EUM2.9兆ドル、EUMは株式運用額)、ブラックロック(2.6兆ドル)、ステートストリート(1.5兆ドル)、フィデリティ(1.2兆ドル)、キャピタルグループ(1.1兆ドル)、Tロウプライス(0.6兆ドル)、ノーザントラスト(0.48兆ドル)、BNYメロン(0.47兆ドル)、インベスコ(0.40兆ドル)、ディメンショナル(3.58兆ドル)で、この上位10社で11.8兆ドル(1300兆円)に達する。

・エンゲージメントでは、どんなことを重視するか。この点で、1)バンガードは、①社外取締役の独立性、②業績連動の報酬制、③株主との対話を、2)ブラックロックでは、①ESG、②長期的な視点、③取締役の評価プロセスを、3)ステートストリートでは、①独立性、②取締役会の実効性評価、③ジェンダー(男女)ダイバーシティに注目する、とオケリー氏は指摘する。

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