S&P 500月例レポート(2017年9月配信)

 8月のS&P500指数は月の大半で下落しましたが、最終的には好転し、薄商いの中で小幅に上昇しました。上昇率は0.05%(配当込みのトータル・リターンは0.31%)で、7月の1.93%からは低下し、年初来の上昇率は10.40%(同11.93%)となりました。昨年11月8日の大統領選以降では15.52%(同17.51%)の上昇率となっており、投資家にとっては、懸念があったとしても、またもや満足できる結果となりました。9月には3つの大問題(債務上限、来年度予算、所得税改革)が待ち受けていることから、投資家が懸念を抱いても不思議ではありません。

 騰落率は11セクターのうち6セクターでプラスとなり、11セクター全てがプラスとなった7月からは減少しました(6月は5セクター)。情報技術セクターの騰落率が最も高く、3.24%上昇しました。iPhone(アイフォーン)メーカーのApple(AAPL)は10.3%上昇し、過去最高値で8月を終えました。Appleを除いた場合、同セクターの上昇率は1.89%となり、S&P500指数の騰落率は0.05%の上昇から0.33%の下落に変わります。年初来では、同セクターは25.27%上昇しており、全セクターの中で最高のパフォーマンスとなっています。Appleの(目覚ましい)41.6%の上昇率を除けば、同セクターの上昇率は22.31%となります。公益事業セクターは好調で、リスクオフの流れがしばらくみられたことから、8月は2.68%の上昇、年初来では12.34%の上昇となっています。ヘルスケアセクターは、ヘルスケア法案が棚上げされた模様であることから、8月は1.64%、年初来では17.74%上昇しました。この結果、同セクターはS&P500指数において、金融セクターを抜いて2番目に大きなセクター(最大は情報技術セクター)となりました。金融セクターは金利低下を背景に1.85%下落して、年初来の上昇率は5.67%となっています(ただし、昨年11月8日の大統領選以降では23.12%の上昇)。

 月間騰落率が最低だったのはエネルギーセクターで、8月に5.71%下落、年初来では16.75%下落して、最低のパフォーマンスとなりました。主な障害となっているのは依然として原油の供給過剰と見られ、原油価格は下落が続いています。ハリケーン「ハービー」の影響により一部の製油所とパイプラインが閉鎖されたことから、ガソリン価格は短期的に上昇する見通しですが、供給量が高止まりしている限り、原油価格への下押し圧力は残るでしょう(石油輸出国機構・OPECの加盟国と非加盟の主要産油国は2017年9月22日にウィーンで会合を開催する予定)。電気通信サービスセクターは競争激化で利益率への圧力が続いていることを背景に、8月に3.09%下落、年初来では11.19%下落しました。

 銘柄の変動をみると、8月は市場全体では小幅上昇したものの、7月とは反対に値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回りました。値上がりは232銘柄(平均上昇率3.80%)と7月の326銘柄から減少しており(6月は349銘柄)、そのうち12銘柄が10%以上上昇(7月は10銘柄)しました。値下がりは273銘柄(平均下落率は5.65%下落)と7月の178銘柄から増加し、そのうち44銘柄が10%以上下落(7月は14銘柄)しました。年初来で見ると、値上がりした銘柄数が値下がりした銘柄数を引き続き大きく上回っており、値上がりは331銘柄で、そのうち101銘柄が25%以上の上昇、値下がりは171銘柄で、30銘柄が25%以上の下落となりました。

●8月の重要ポイント

*S&P500指数は2,471.65で8月を終え、月間上昇率は0.05%(配当込みのトータル・リターンは0.31%)となりました。7月の終値は2,470.30、月間上昇率は1.93%でした。年初来の上昇率は10.40%(同11.93%)、また2016年11月8日の米大統領選当日の終値2,139.56からの上昇率は15.52%(同17.51%)となりました。月内に終値ベースで最高値を1回更新しました(直近の高値更新は2017年8月7日で2,480.91)。ダウ工業株価30種平均(NYダウ)は21,948.10ドルで8月を終え、7月末の21,891.12ドルから0.26%上昇しました。年初来の上昇率は11.06%となり、月中に終値ベースで最高値を2回更新しました(直近の高値更新は2017年8月7日で22,118,42ドル)。

*原油価格は引き続き不安定な展開となり、ハリケーン「ハービー」の影響でテキサス州沿岸の一部の機能が停止したにもかかわらず、7月末の50.25ドルから6.3%下落して47.07ドルで8月を終えました。2016年末の53.89ドルからの下落率は14.1%となりました。

*米国10年国債の8月末の利回りは2.12%となり、7月末の2.29%から低下しました(2016年12月末は2.45%)。

*金価格は1トロイオンス1,327.90ドルで取引を終え、7月末の1,276.30ドルから4.0%上昇し、2016年12月末の1,152.00ドルからは15.3%の上昇となりました。

*英ポンドは7月末の1ポンド=1.3194ドルから1.2929ドルに下落(2016年12月末は1.2345ドル)、ユーロは7月末の1ユーロ=1.1833ドルから1.1904ドルに上昇(同1.0520ドル)、円は7月末の1ドル=110.29円から109.95円に上昇しました(同117.00)。

*VIX恐怖指数は7月末の10.58から10.69に上昇しました。月中の最高は17.28、最低は9.52でした(2016年12月末は14.04)。

*ボトムアップ分析によるS&P500指数の1年後の目標株価は2,702(現行水準から9.3%の上昇余地)、NYダウは23,756ドル(同8.2%の上昇余地)。

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