ファイナンシャルジェントロジー~認知症とアセットマネジメント

・認知症を治す薬は今のところはない。いかに予防するか。早期発見、早期介護で進行を遅らせ、食い止めることが鍵である。医学的には脳に不要物が貯まることが原因である。アミロイドやタウが貯まるので、これが貯まらないように、あるいは減らすことができればよい。

・まだ失語、失行、失認などの症状がでていない人でも、脳の中を断層撮影すると、アミロイドなどの存在状況を診断することができる。今ある薬や開発中の薬は、いずれも認知症の進行を遅らせるものであるが、このアミロイドなどを除去できれば、認知症は大幅に改善されるかもしれない。

・私の母は昨年95歳で亡くなったが、90歳を過ぎた頃から失認が激しくなり、私と会ってもどちら様ですかと言うようになった。しばらく話すと息子であると分かる。長期記憶には息子が残っているので、昔話は分かる。それが目の前にいる本人とは一致せず、トイレに行って帰ってくると、どちら様ですかに戻る。短期記憶には結びつかなかった。

・認知症は現在60代前半で2%程度、5歳ごとに2倍ペースで上昇していくという。80代後半では25%が発症することになる。発症までに15年かかるとすると、60代の5~6人に1人がすでに予備軍である。

・脳に不要物を貯めないようにするにはどうすればよいか。長寿の秘訣と似ているが、アクティブに生活をエンジョイすることである。食事(佐久市)、運動(藤沢市)、幸福度(荒川区)に関するコホート(観察研究)によれば、1)食べすぎず腹八分にして、2)今までよりもプラス10分間運動をして、3)広い人間関係のもとで趣味をもって学ぶことがよい、という。

・魚を食べて鬱(うつ)の気持ちを防ぐようにする。深い睡眠は脳を掃除してアミロイドを減らすので、気持ちよく寝るようにする。そして、頭を守って、ぶつけないように注意する。若い時に頭に衝撃を受けるような運動をしていると、脳が動いてタウが貯まり易くなるという研究もある。サッカーやラグビーは注意を要するという三村先生の話は意外だった。

・長生きを健康で過ごすには、一定のお金も必要である。そこで、生命寿命、健康寿命とともに、資産寿命も大事になってくる。自立した日常生活を送るには、お金の使い方や財産の管理が自分でできないと困る。しかし、認知の低下と共に、財産管理能力も落ちてくる。

・最後は誰かに面倒をみてもらう必要があるが、それは医者や介護ケアの人ではない。そこで、ファイナンシャルジェントロジー(金融老年学)を研究し、金融に関して高齢者が適切にサービスを活用できる社会を作っていく必要がある。年をとると、金融に関する意思決定能力(FC : Financial Capacity)が落ちてくる。大きな金額の判断や特別な決定ができなくなる。

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