GPIFのESG投資とは~新たなESGインデックスに注目

・その上で、自社のビジネスにとって、本業の広がりとなるか、新規ビジネスとなるか、リスクマネジメントになるか、というマテリアリティ(重要性)を判断し、企業価値向上に資するものから取り入れていけばよい、と小森氏は強調する。企業価値向上が第一で、その上で社会的課題のソリューションに結びつけばさらによいという見解である。

・AMに対して、新しいBM(ビジネスモデル)を構築せよ、と要請している。AMに聞くとESGインテグレーション(ESGを投資判断に組み込んだ運用)をやっていると、すべての機関が答える。では、IRミーティングで、ESGの議論を本気で行っているか。

・まだ十分でないと感じており、これから強く要求するという。鍵は、パッシブ(インデックス)運用において、企業とのエンゲージメントをどのように行うか、にある。GPIFの株式運用の8割がパッシブである。アクティブ運用は3~5年単位でみれば、株を売ることが普通なので、ESGのエンゲージメントはパッシブ運用の方がはるかに重要である。

・GPIFはESG指数を公募し、第一弾を7月3日に公表した。14社から27本の応募があったが、そこからまず3本を選定した。国内株の3%に当たる1兆円をこの3本で運用することにした。

・ESGに対する考え方はまだ多様であり、企業の開示も十分でない。AMから企業サイドにESGの開示を要請することになろう。インデックスについては今後5年、10年かけて、あるべき姿を追求していくという。企業やAMは指数会社とさらに対話していく必要がある。

・選定されたFTSE Blossom Japan Indexは、ESGの総合型で、FTSE JAPAN 500の中から、151銘柄が入っている。MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数も総合型で、MSCIジャパントップ500から251銘柄を選んだ。3つ目のMSCI日本株女性活躍指数(WIN)はテーマ型で、MSCIジャパントップ500から212銘柄を選んだ。

・この他にも、今後新しいESG指数が選ばれていく可能性がある。環境(E)については現在審査を継続している。なお、ガバナンス(G)については、公募した中では該当なしとなった。Gをベースとするインデックスで、ベンチマーク(5年間)を上回るものがなかったことによる。

・GPIFのAMに対する評価において、ESGに関するエンゲージメントのウエイトが高まっている。従来の10%を30%に高めたと小森氏は強調する。中長期投資におけるGPIFの新方針の確立とその実行は、AM業界に大きなインパクトを与えよう。ESGの評価軸がいかに運用パフォーマンスの向上に結びつくか、大いに注目されよう。
 

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