カイテキ経営の成果~3軸の定量評価に着目

・2つ目は、出口と入口をセットにして事業展開を図ったことである。撤退だけでなく、M&Aによって新しい事業を取り入れていった。出入りを通して、企業としての新陳代謝を実行することができた。3つ目は、リストラには必ず痛みを伴う。それを克服するだけの財務体質が確保できていた。

・ポートフォリオの入れ替えに当たって、基盤事業、成長事業、次世代事業ごとのKPIは、それぞれに合ったものを設定した。もちろん、各事業のROICはみているが、基盤事業ではFCF(フリーキャッシュ・フロー)、成長事業ではコア営業利益、次世代事業では計画比を重視した。

・ビジネスモデル(BM)の変革にも取り組んだ。2000年代までのスマイルカーブ型(素材、製造、販売での付加価値配分)から、オープン・シェアード・ビジネス型(OSB:素材、プロセス、組立、サービスでの付加価値配分)へのシフトをめざした。

・社内でやること(クローズドのブラックスボックス化)と、社外と組むこと(オープンなアライアンス)のシーケンス(流れ)を戦略的に設計し、容易に真似のできないBMをスピーディに構築するように展開している。

・CG(コーポレートガバナンス)では、指名委員会等設置会社として、取締役13名中5名が社外である。さらに、社内取締役8名中、執行担当は5名で、3名は非執行である。小酒井CFOは、執行担当の取締役は必ず担当部門の利益代表になってしまうので、監督と執行を明確に分けることが、経営を研ぎ澄ますに当たって、あるべき姿であると強調した。

・小酒井CFOは、CFOの役割をリスクのコントロールだけでなく、リターンのコントロールにも直接関わっていくべきであると認識している。一方で、CEOとCFOは対等ではない。そこを踏まえつつ、リスクとリターンを的確にフォローしていくのがCFOの役割であると指摘した。

・MCHCのカイテキ経営は成果を上げている。決め手は、経営ビジョンの現場への浸透と、それを推進する3軸の定量評価にある。点数による評価を現場まで下ろしていったことが、価値向上に結びついている。MOS、MOT、MOEの重みが10:10:80という点については、会社サイドとさらに議論してみたいが、この3軸経営と定量化については大いに学ぶべき点があり、高く評価できよう。
 

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