カイテキ経営の成果~3軸の定量評価に着目

・MOE(エコノミックス)の軸では、利益と効率を追求し、時間軸は四半期をベースとする。MOT(テクノロジー)の軸では、イノベーションによって革新的な製品やサービスを創出する。時間軸は10年である。MOS(サステナビリティ)の軸では、環境や社会的課題の解決に貢献する持続性を追求し、時間軸は100年である。

・3軸の重みはMOE 80 %、MOT 10%、MOS 10%としている。これらをどのように測るか。これは今の経営陣の重要な経営判断である。但し、MOEが80%という点に関しては、議論があるかもしれない。

・MOSの遂行に当たっては、SDGs(国連の持続可能な開発目標17項目)をベースに、自社のマテリアリティ・マトリックス(22項目)を特定し、重要経営課題としてソリューションの提供に取り組む。

・サステナビリティの定量化に当たっては、①S指標(地球環境、資源エネルギー)、②H指標(疾病診療、予防、衛生)、③C指標(信頼、協奏、快適さ)を、それぞれ3ステージで評点し、総合点を算定する。実際、2010年に140点であったものが、2015年度には244点まで上昇している。

・MOTでは、R&D部門への丸投げをやめ、事業戦略、研究開発戦略、知的財産戦略を三位一体として実践する。①R&Dのステージアップ達成率(開発→上市)、②知的財産の海外出願率、③新商品化率などをそれぞれのKPIとして、イノベーション創出プロセスの定量化を図り、可視化している。

・MOEでは、ポートフォリオ・トランスフォーメーションに力を入れてきた。事業のライフステージを、①再構築事業、②基盤事業、③成長事業、④次世代事業の4展開モデルで管理し、ここから⑤撤退事業を見定め、さらに⑥飛躍(M&A)事業を加えていった。

・売上規模でみると、いくつもの事業を合わせて計6000億円から撤退しつつ、一方で1.45兆円のM&Aを実行し、既存及び新規事業の強化を図った。まさに選択と集中を徹底した。事業が赤字と分かっていても、縮小だけでは先が見えない。利益率を高めるに低収益事業をやめるという理屈だけでは、なかなか納得が得られない。

・こうした局面での決断には、3つのポイントがあったと小酒井CFOは強調する。1つは、経営判断の精度が問われた。その点では、コーポレートガバナンスが決定的に効いたという。将来性のない事業からの撤退に、社外取締役を含めた取締役会の議論が果たした役割は大きいといえる。

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