プロの人材育成~あなたの会社はプロを育てていますか

・どの会社でも、専門としての業務知識は必要である。業界(セクター)共通のナレッジも重要であろう。しかし、今最も問われているのは、企業としての新しい価値を作り出す個性のあるビジネスモデル(BM)である。

・価値創造の仕組みであるBMは、人材を中心とする組織能力によって支えられている。トップマネジメントの経営力、新しいイノベーションを創り出す開発力、独自の組織能力を支えるESG(サステナビリティ)、業績を確固たるものにするリスクマネジメントの作り込みなどが鍵を握る。

・どの組織にもイノベーターは必要であり、従来型組織に馴染まない異能タイプはいるものである。しかし、そういう人材を活かそうとすると、摩擦を伴う。手間がかかり、何倍もの労力が必要となるので、普通はつまはじきにされ、外へ出されてしまう。

・一方、イノベーターを許容するだけでは、組織は強くならない。組織で働く人々がそれぞれ自らの専門性を養い、役割や機能としての能力を発揮することが求められる。どの会社も、ここに力を入れようと努力しているが、それがうまくいっていないことも多い。

・少子高齢化社会に入って、人材は取り合いになっているが、今や大学の新卒は短大並みである。実際には2年くらいしか学んでおらず、自分なりに何かを追求するという訓練が身についていない状態で就職先を探す。まさに潜在能力の青田買いであろう。理工系はマスターにいくのが当たり前なので、それで専門性を少し身につけたといえる。

・30代、40代の女性が再び社会に出ようとした時に、その専門性が同じように問われる。時給1000円の仕事というだけでは、今や人は採りにくい。仕事の内容と働く仕組みを大きく変えていかざるを得ない。

・50代、60代のシニア世代の人材をいかに活用するか。ここでも専門性が問われる。何をやってきたかという経験ではなく、これができるというプロの能力が求められる。どんな仕事でも20年、30年働いてきたのであれば、実はプロとしての力量はかなり養われているはずであるが、その能力に気付いていない場合も多い。

・人には、得意なことと苦手なことがある。腰の重い人は敬遠され、フットワークの軽い人は重宝がられる。威張る人は敬遠され、知ったかぶりして口先だけという人もいる。一方で、時に意見は言いつつ、任されたことをきちんとやり遂げる人は、すぐに信頼を築いていく。

・企業サイドでも、人材を上手く使えない会社は衰退していく。若者、女性、高齢者を単に安く使い倒そうという会社に将来はない。そんなBMが長く続くはずはない。ステークホールダーに早々に愛想をつかされてしまおう。

・投資家として会社をみる時には、①人材が増えている会社がいい会社、②生産性が上がっている会社がいい会社、③プロを育てている会社がいい会社と評価できる。投資家向け説明会に行ったら、社長にあなたの会社はプロの人材を育てていますか、と聞いてみたい。その答えに会社のカルチャーがはっきりと出てこよう。
 

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