オムロンの中期計画とアナリストの反応

・こうした先行投資がうまく成果に結びつくのだろうか。そこを分析するのがアナリストである。山田社長はトップ分野を一段と強化し、新分野を開拓すると熱く語る。投資家はどう受け止めるのだろうか。1)前期の業績はパッとしなかった、2)今期の会社計画では利益はほとんど伸びず期待はずれである、3)中期計画も4年先ではどうなるかわからない、4)アナリストは目先期待外れだったので、株価にはネガティブというコメントを出している、5)とりあえず売っておいて、その後の業績がよくなってきたらその時に買おう、という流れかもしれない。

・長期投資家にはどうみえるだろうか。1)経営者の実行力は一段と充実している。2)成長分野へのイノベーションは競争優位を高めることができる、3)コーポレートガバナンスは効いており、働き方、環境への取り組みも十分である、4)業績のリスクマネジメントではもう一段グリップを強化してほしいが、収益力の向上と安定度は高まっている、と判断できる。先行投資の内容と進捗をさらに詳しくフォローしていく必要があろう。

・筆者の企業評価はAである。①経営力、②成長力、③持続力、④リスクマネジメントの4軸から、各3段階(3点、2点、1点)で評価して、A(12~10点)、B(9~7点)、C(6~4点)という3クラスで、オムロンは10点に相当するというのが筆者の判断である。

・4月27日の説明会の後のセルサイドアナリストの反応は、1)説明が不十分でネガティブサプライズ、2)収益力の強化策は評価できるが、株価面では材料不足、3)増益で待っていたが、横這い予想を出してきたので、もう少し様子をみたい、4)中長期には期待できるが、短期的な費用増が嫌気される、5)投資効率がはっきりせずもの足らない、6)先行投資で低成長局面に入っている、7)会社計画は保守的でノーサプライズなど、さまざまである。

・おしなべて、短期のモメンタムが株価にマイナスになるという反応で、中長期の会社計画は十分腹落ちしないので、慎重にみておこうというスタンスであるのだろう。

・中長期の企業評価は難しい。株価の上げ下げにフォーカスすると、どうしても短期の業績に目がいき、それが市場コンセンサスに比べて上か下で一喜一憂しがちである。そんなセンチメントに基づく株価反応を当てることが本筋ではない。アナリストは、会社の中長期計画についてもっと深い分析を行うが必要であろう。

・会社サイドとしては、次の統合報告書ができた段階で、内外の機関投資家、個人投資家に統合報告説明会を開いてほしい。中長期的な理解を求めて、対話の工夫を継続していく必要があろう。
 

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