景気成熟、株価割高論は正しいか

●低金利は貯蓄増加と資本生産性向上という歴史環境がもたらした

 それでは、長期金利の低迷を、リセッション入りの前兆ととらえている仮説、つまり人々の将来悲観が高まり、投資資金需要が低下し、金利低下を引き起しているという見方は正しいか。トランプ大統領当選以降、ビジネスセンチメントは大きく向上している。消費者センチメント指数も同様である。経済主体の心理が大きく改善しているのに、将来悲観が強まっているとの解釈には矛盾がある。では何が低金利の原因か。我々は世界的過剰貯蓄、米国での家計・企業部門での大幅な貯蓄の増加で資金運用需要が高まっている一方、インターネット・クラウドコンピューティングなどの技術革新により投資コストが大きく低下していることが原因と考えている。貯蓄余剰の高まりと資本生産性の向上が同時に起こっているのである。そうした歴史的構造変化が、好況、高利潤の下でかつてない低金利を引き起している。それはFRBの資産圧縮が始まっても大きく変わらないのかもしれない。

 このように考えれば低インフレ、低金利は経済拡大の持続性をより強める好条件と言え、大幅な株高を正当化するものとの結論に至る。同様に、長期金利が上昇しにくいと言ってもそれがドル安円高要因ではないことも、自明であろう。
 
zu07-08
 

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