円高要因はほぼ消えた、アベノミクス相場再開へ

 3月後半からの世界的株価調整はトランプラリー(株高・金利高・ドル高)の巻き戻しというテクニカルなものであり、日柄と値幅の調整は大方済んだとみられる。懸念された地政学不安も、フランス大統領選挙で親EUのマクロン氏勝利の可能性が高まったことで、いったん終焉しよう。昨年に起こった二つのまさか、英国国民投票でのBrexit賛成投票や米大統領選挙でのトランプ氏勝利が、株価の暴落どころか急騰の起点となったことなどを見ると、地政学不安はテクニカル売りの口実であったこと、それは絶好の買い場を提供すること、が分かる。

(1) 好調な世界経済、世界的株高続く

●珍しくアップビートのIMF

 IMFは4月18日、2017年の世界経済見通しを控えめに引き上げた(1月時点見通し3.4%を3.5%へ)。が、コメントでは「世界経済は勢いを得つつあるようだ、現在はその転換点にある可能性がある」としており、エコノミストの心証が相当強いことがうかがわれる。中でも日本の見通しが1月時点の0.8%から1.2%へと英国(1.5%から2.0%へ)と並んで大きく引き上げられていること、先進国中では米国が2.3%と最も高い成長見通しとなっていること、が注目点である。実際世界同時好況と言えるほどに全地域において景況の好転が顕著である。
 
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●当分続く世界同時好況

 情報インターネット革命に支えられたイノベーションと生産性向上により、企業業績の向上が著しい。好業績に支えられて世界的な投資ブームが起こりそうな気配が濃厚である。米国ではトランプ政権によるビジネスにやさしい政策への期待が企業家心理を大きく押し上げている。中小企業景気楽観指数はリーマンショック以降88~96で推移していたが、昨年12月以降104前後の過去最高水準へと大きくジャンプした。米国利上げは始まっているものの金融緩和姿勢は根強く、世界的に投資資金は潤沢かつ低金利であり、起業家のアニマルスピリットが大きく前進しているのである。原油価格上昇による資源・エネルギー・鉱業部門の回復に加えて、2015年から2016年にかけて停滞していたハイテク景気循環が拡大局面に入っている。ハイテク製品の在庫調整完了、プロダクトサイクルの好転、中国での半導体・液晶投資の急拡大などが背景にある。日本でも半導体製造装置受注、電子部品受注、工作機械受注などが内需・外需向けともに浮上してきた。

●世界的リスクオン、米国株高トレンド復元へ

 中国における今秋の5年に一度の共産党大会の後も財政金融の経済テコ入れが続くかどうかに関して注視し続ける必要はあるものの、今の世界的景気拡大は当分続きそうである。なんといっても情報化の進展と新興国の低賃金労働により賃金が抑えられインフレ圧力が小さいので、金融引き締めが抑制的と考えられていることが大きい。米国では最初の利上げからリセッションに陥るまでの期間は最低3年、最長7年、平均5年であるが、現在はまだ一年余り、リセッションに陥る心配はここ数年著しく低いと考えられている。リセッションが到来しない限り株価はピークアウトしないという経験則を重ねて考えれば、今の株高トレンドの持続性は高いと見ざるを得ない。このように見てくると今の急落はトランプラリーのテクニカルな調整であり、金利低下・株安・ドル安と言った一連の巻き戻しは日柄と値幅で出直るとみられる。現在8割方調整は完了しているのではないか。好調なファンダメンタルズに加えての、①FRB利上げ、②期待される減税、③物価・原油堅調、を考えれば金利先高観は強く、ドル高が長期的趨勢であろう。

 米国株式が再度史上最高値を更新するとなれば、リスクオフの円高も限定的、1ドル108~110円程度が円高の限界になるのではないか。以下に述べるようにもはや円高要因はほとんどなくなっている。日本株式も米国主導の世界株高に合流していくだろう。
 
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