今週もレンジの下限でのもみあい続く ― 調整入りも1つのシナリオに入れて考えていくところ ―

調整入りも1つのシナリオに入れて、今週のもみあいを考える

 今週は、名実ともに新年度相場入りですが、日米の政治リスクが上値を重くしています。特にアメリカではトランプ政権の経済政策の実現性を疑問視する声が高まっていますので、この疑問を払うためにも保護主義政策が強まる可能性が高いと思われます。トランプ大統領の就任以来の動きは、最初は7ヶ国に対す入国制限の大統領令の効力が裁判所に「無効」とされ、2回目の入国制限は大統領令が実行される前に停止されました。さらにオバマケア修正法案は議会で採決前に「法案を引っ込める」という大失態を犯しました。2つの選挙公約が失敗に終わったことでトランプ政権に対する実行能力が懸念されてきています。  ここでトランプ大統領が信用を取り戻そうとしますので、アメリカが他国に奪われている富を取り戻すという名目で「保護主義政策」をとることになります。2国間協議による貿易不均衡是正のための経済対話が、まず4月6~7日の「米中首脳会談」の中で行われ、つづいて4月中旬には第一回の「日米経済対話」が行われます。貿易赤字は1位が中国、2位が日本ですので2回続けて公約の実現に失敗していることで、この2国にとっては貿易赤字の不均衡是正は、かなり厳しいものになるかもしれません。もしそうなると日本の輸出企業にとっては大打撃ですので、日本株式も大きな調整が強いられることになります。

 現時点では、日本株式の上昇は為替次第となっており、アメリカ経済が好調でもドル高・円安という動きになっていませんので注意が必要となってきます。

 今年になってからのチャートを見てみると、1月18日の18650円を安値とし、3月2日の19668円を高値とするレンジの中で、1月5日の19615円、3月2日の19668円で2点天井(柴田罫線ではほぼダブル天井)となって、その後徐々にレンジの下限に向かって上値を切り下げてきています。形としては、1月18日の18650円に対する2点底(ダブル底)の動きも想定されますが、ここを切ると本格調整という展開になってきます。日柄調整をみてみますと、昨年の12月8日に18614円の安値をつけたあと、12月9日の終値18996円からは、18650~19668円のレンジの中で4ヶ月近いもみあいとなっていますので、日柄調整は十分といえます。日柄調整が終了すれば上放れか、下放れすることになりますが、現在の日本株式を取り巻く相場環境をみると、下放れの可能性が高いように思われます。もちろん、急速な円安・ドル高となって19668円をぬければ上放れとなりますが、その可能性は今のところ考えにくいところです。

 調整入りは、どこでみればいいのかというと、まずはレンジの下限である1月18日の18650円を終値で切ってきた場合です。この水準で止まってダブル底となってレンジの上限を目指す場合もありますので、明確に18650円を下回るのを確認する必要があります。その下は18300円水準となります。

 今週からは、上述したようなシナリオをアタマに入れながら、相場を見ていくのが良いと思われます。需給関係としては、海外投資家の売り越しが続いており、3月24日時点では、信用残高で買い方と売り方の評価損益率が約5ヶ月ぶりに売り方優勢になっていることがあります。一方でアメリカ経済は好調で強い経済指標が出ており、今週末の3月雇用統計も予想を上回る結果となれば年3回以上の利上げ観測(この場合は6月のFOMCでとなる)となって、日米金利差拡大期待から円安方向へふれて日経平均の上昇も考えられます。上値の重い展開の中で強気と弱気が拮抗し、レンジの下限でもみあいが続きそうです。 今週は基本は、18900~19200円の小幅のレンジを想定します。

 本日は、先週末の2日連続の大幅安からの自律反発狙いの買いが入り、△78円の18988円で寄り付き、後場になると売りポジションを先行させていたヘッジファンドの買い戻しで一時△159円の19068円まで上昇。その後は上げ幅を縮小し△73円の18983円で引けました。材料が出たことによる上昇ではなく目先の需給で動きているようです。

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