「株式投資って怖い」というのは、株式投資未経験者の多くが持つ株式投資のイメージかもしれません。実際、株式投資をやっている人の中にも株式投資を“投資”と捉えず、“賭けごと”や“ギャンブル”と同義に捉えている人も少なくないのが実態です。一方で、1999年10月の証券取引委託手数料の完全自由化やネット証券の誕生によって一般生活者に対する株式投資の普及は進み、日本国内における個人投資家の数は1,000万人を超え、最近ではワイドショウでも株式市況について取り上げるようになる等、株式投資は皆さんにとっても身近な存在になったと言えます。

実際、最近では「ミニ株」(単元株の1/10から売買できるシステム)等も出てきていますし、ネット証券の普及により取引コストも以前に比べれば格段に安くなっている等、より多くの方が株式投資に参加できるような努力を証券会社は取り組んでいます。また、経済の基本に沿う形でこの成長市場を対象としたビジネスも急拡大を遂げており、個人投資家をターゲットとした情報提供サービスも、対人型に限らず、雑誌・書籍や、ネット等、様々な媒体等で急速に増大しています。一方で、このように株式投資に関する情報が膨大に流通する今日においても、株式投資は、どこから始めてよいのか、また何を買えばよいのか分からないという話を未経験者からよく耳にします。また経験者においても、売買を判断する上で何が重要な情報なのか、何を見れば良いのか分からず、戸惑って機会を逃すという話があります。加えて、昨年夏のサブプライム問題のように突発的事象において、個人投資家がパニックに陥る光景は珍しくありません。こういった投資家の悩みの中でも、特に「何を買えばよいのか」という点については経験豊富な方も含めて完全には解決されない永遠のテーマなのかもしれません。
個人投資家が買える日本株の上場銘柄数は4,000を超えます。何を基準に売買すれば良いか分かっていない方にとっては、4,000銘柄の中から、自分に利益をもたらせてくれる、自分を儲けさせてくれる銘柄を見つけることは、真っ暗な中で探し物を見つけるのと同じように感じるのかもしれません。でも、何故このような状況になるのでしょうか。経験豊富な方の意見では、「一定の知識を身につけ、その知識に基づき定めた自らの“ルール”に基づいて売買の判断を行うこと」が重要というのが一般論となっています。しかし、「一定の知識とは何か?」すら、未経験者にはハードルが高いのかもしれません。本編では、私自身が外資系証券会社でアナリストの職に就いていた時代の経験を活かし、一般的な株式投資における“テクニック”というよりは、“考え方”に焦点を当てて、株式投資の基礎知識について説明したいと思います。基本的な考え方を正しく理解をすれば、多くのテクニックをはじめ、株式投資の中で経験する多くのことをこれまでとは違い身近に感じられるかもしれません。
株式会社マスチューン 代表取締役社長 瓜生 憲








