S&P 500月例レポート(2017年2月配信)

 1月は11セクターのうち8セクターで月間騰落率がプラスになり(12月は9セクター)、各セクターのリターンのばらつきは引き続き拡大しました。最低の騰落率だったのは2016年に23.65%上昇したエネルギーセクターで、原油価格がレンジ内にとどまり(月間では2.0%下落)、トランプ大統領がエネルギー関連の複数のプロジェクトを承認したにもかかわらず、1月は3.64%下落しました。エネルギーセクターは原油価格が105ドルだった2014年6月比では、いまだに26.56%安の水準にあります。2016年に17.81%上昇した電気通信サービスセクターも、通信サービス大手のVerizon(VZ)の下落の影響で、3.50%安と大幅に下落しました。VerizonはYahoo(YHOO)の資産買収が延期され、買収後の資産の活用をめぐる懸念が強まったことから8.2%下落しました。騰落率が3番目に悪かったのは2016年に横ばい(0.01%上昇)だった不動産セクターで、1月はわずか0.12%の上昇でした。一方、月間で最も上昇したのは素材セクターで、コモディティ価格の見通しの改善を背景に4.59%上昇しました。素材セクターに次ぐ上昇を示したのは4.34%の情報技術セクターです。同セクターでは36銘柄中30銘柄が事前予想を上回る好業績を発表しました。1月31日の取引終了後に予想を上回る決算を発表したApple(AAPL)はその後の時間外取引で上昇しており、2月初めの情報技術セクターの上昇に貢献すると思われます。薬価に対する圧力が続くヘルスケアセクターは1月に2.15%上昇しました。1月末に行われた業界代表者らとトランプ大統領との会談では「笑顔」と希望が見られましたが、ヘルスケアセクターは昨年下落(4.36%安)した唯一のセクターであり、引き続き薬価の問題が懸念されます。金融セクターの騰落率は0.12%上昇とほぼ横ばいでしたが、選挙後では20.14%の上昇を維持しています。一般消費財セクターは4.18%上昇しました。消費は、米国の新規雇用の増加が賃金の上昇につながるとの期待から押し上げられた模様です。

 決算発表で好業績が相次ぎ、企業が新政権に協力する姿勢を見せていることが背景となり、1月は値上がりした銘柄数が値下がりした銘柄数を前月よりもさらに大きく上回りました。値上がりは327銘柄(平均上昇率は5.38%)と、12月の302銘柄(11月は335銘柄)から増加した一方で、値下がりは176銘柄(平均下落率は4.42%)と、12月の203銘柄(11月は170銘柄)から減少しました。10%以上の上昇は前月の12銘柄から39銘柄(平均上昇率は16.02%)に増加しましたが、10%以上の下落も16銘柄(平均下落率は17.00%)と、12月の12銘柄を上回りました。4銘柄が25%以上値上がりし(前月はゼロ)、2銘柄が25%以上値下がりしました(前月はゼロ)。出来高は、前月比17%減だった12月に対して1月はほぼ横ばい(0.5%増)となり、過去1年間の平均月間出来高を10%下回りました。月中の高値と安値の差で見た変動率は2.49%となり、過去1年間の平均である4.61%を大幅に下回りました(11月は6.25%、12月は4.12%)。1962年以降の年間変動率のチャートにこの1月の数値を加えると、2017年1月の変動率が(55年間の)過去最低を記録したことがわかります。トランプ大統領が発令した大統領令が議会、大統領、そして間違いなく裁判所に立法に関する手続きを要求することを勘案すると、ボラティリティは上昇するという見方が大勢を占めています。

 S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは1月に、S&P500の構成銘柄について2銘柄を入れ替えました。動物用診断薬・検査機器メーカーのIDEXX(IDXX)を追加し、ヘルスケア会社Abbott Laboratories(ABT)に買収された医療機器メーカーのSt. Jude(STJ)を除外しました。

 利回り、金利、コモディティに関しては、米国の利上げ時期が早まるとの投資家の予想を反映して金利は1月に上昇しましたが、インフレと消費の加速も同時に見込まれていたことから反転し、月中の最高水準から低下して1月の取引を終えました。米国10年国債の利回りは12月の2.45%や2015年末の2.27%から1月末は2.46%に上昇(価格は下落)して月の取引を終えました。30年国債の利回りは3.07%と、12月の3.07%から横ばいでした(2015年末は3.02%)。外国為替市場の取引は活発で、ユーロは12月末の1ユーロ=1.0520ドルから1.0796ドルに上昇して1月を終えました(同1.0861ドル)。英ポンドは12月末の1ポンド=1.2345ドルから1月末は1.2576ドルに上昇しました(同1.4776ドル)。円はドルに対して12月末の1ドル=117.00円から上昇して112.68円で1月を終えました(同120.66円)。人民元は1ドルに対して12月末の6.9448元から6.8817元に上昇しました(同6.4931元)。金価格は12月末の1152.00ドルから1212.40ドルに上昇しました(同1060.50ドル)。原油価格は大きく変動しましたが50ドル台を維持し、12月末の1バレル53.89ドルから52.80ドルに下落して1月を終えました(同37.04ドル)。米国のガソリン価格は、12月末の1ガロン2.309ドルから1月末は2.326ドルに上昇して月の取引を終えました(同2.034ドル)。VIX恐怖指数は10年振りの低水準で推移し、12月末の14.04から1月末は11.99に低下しました(同18.21)。

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