【IRアナリストレポート】日進工具(6157)

~超硬小径エンドミルで業界No.1、高まる生産効率と新製品の寄与~

・業績は好調である。市場開拓型の差別化戦略が功を奏している。後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。新しい分野の開拓では、顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。精密微細加工の求められる領域は、IoTの進展とともに、自動車(自動運転)や機械(ロボット)で広がっていこう。

・今2017年3月期の売上高経常利益率は25%、ROEも14%台を確保しよう。メイド・イン・ジャパンの自社開発自動化機械による生産効率と、世界最先端を行く新製品が新しい市場を開拓していることによる。小径エンドミルに特化する中で、高付加価値化、高効率化を進め、利益率は同業大手を凌ぐ水準にきている。

・来2018年3月期も引き続きピーク利益を更新しよう。自動車関連では、安全性向上の動きが活発である。中国のスマホは需要の増減はあるものの、機械分野ではロボット化が始まっており、当社のエンドミルの市場も広がりつつある。2016年3月に完成した仙台工場の新設備は償却負担が増えたものの、効率アップに大きく貢献している。

・当社は、刃先径6㎜以下の超硬エンドミルメーカーとして、トップのシェアを有する。主力の仙台工場は大震災の後、リスク管理体制を強化し、在庫を3.5カ月分持つことで、不測の事態にも対応できるようにした。敷地内に新工場を建設し、2016年3月期の設備投資は13億円に拡大したが、今後は7~8億円で十分対応できる。

・R&D投資に力を入れている。業界トップのCBN(立方晶窒化ホウ素)素材を利用した高付加価値エンドミルの販売が順調に伸びている。LEDやレンズの金型加工など、複雑で精密な部品や金型などを切削する時に使われ、用途も広がっている。また、次のPCD(ダイヤモンド焼結体)素材を利用したエンドミルにも積極的に取り組み、市場開拓が始まった。

・基本方針は、1)コアビジネスを強化して売上高経常利益率20%台を確保し、2)グループ経営を強化しROI(投下資本利益率)を高め、3)配当性向を上げることに重心をおく。それが開花している。フリーキャッシュ・フローが積み上がってくるので、配当利回り重視の継続的な増配が期待できよう。株式分割による流動性の向上、増配に加え、株主優待もスタートする。個人株主作りと共に、株式市場での評価は一段と高まってこよう。
 
目 次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差別化で攻める
3.中期経営戦略 さらなる小径化・長寿命化を進め、内外の新市場を開拓
4.当面の業績 難加工に適する新製品も寄与し、ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 競争力の強化で先行、売上高経常利益率20%台を確保しROEも向上
 

日進工具(6157)
企業レーティング
株価(17年2月6日) 1604円
時価総額 201億円(12.5百万株)
PBR 1.95倍
ROE 14.4%
PER 13.5倍
配当利回り 2.2%
総資産 11858百万円
純資産 10290百万円
自己資本比率 86.8%
BPS 823.0円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2008.3 5892 1245 1271 727 58.3 9.75
2009.3 5251 1014 1052 598 48.6 8.75
2010.3 3857 261 361 242 19.7 3.75
2011.3 4977 794 834 426 37.4 6.25
2012.3 5781 962 1032 535 43.0 8.75
2013.3 5997 921 951 527 42.2 9.75
2014.3 6418 1069 1107 694 55.6 15.0
2015.3 7402 1481 1534 973 77.9 20.0
2016.3 8382 1914 1954 1342 107.4 25.0
2017.3(予) 8700 2180 2190 1480 118.4 35.0
2018.3(予) 9500 2370 2390 1620 129.6 40.0

(16.12ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2012年10月1日に1:2、2014年10月1日に1:2、2017年1月1日に1:2の株式分割を実施。2016年3月期以前のEPS、配当は修正ベース。2014年3月期の配当は60周年記念配(5円相当)を含む。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力・持続力、③業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/niltusinnkougu201702.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

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