トランプ氏の「保護主義」における二つの類型

~トランプ氏のドル安願望は叶わない~

●乱暴なトランプ氏、高等戦術か

 トランプ氏は期待に反して有言実行の士であることがはっきりした。TPP永久離脱、NAFTA再交渉指示の大統領令に署名した。またメキシコ国境の壁建設の指示大統領令など乱暴な対応は、メキシコ側を立腹させている。いかに粗野で無礼であっても、公約を遂行する姿勢である。日本に障壁があり米国の車が日本で売れない不公平だなどという発言は、(おそらく)フォード社の一方的入れ知恵に基づくひどい錯誤だが、この発言には市場参加者は血の気が引いたのではないか。本音だとすればその知性には大きな疑問符が付く。またブラフだとすれば交渉相手を最初から威圧する態度であり、先が思いやられる。もつともそうした粗暴さは、対中国交渉を念頭に置いている高等戦術であるとすれば、合点がいく。

●「保護主義」の第一の狙い、米国低スキル雇用の創出

 そうした事柄とは別に、彼の「保護主義」的に見える通商対応に大きく異なる二つの類型があることを考えておく必要がある。その第一は、米国雇用創出、特に弱者である中西部の白人のスキルの低い労働者に対するものである。2008年のリーマンショック以降、スキルの低い人々の雇用機会が大きく損なわれ、不満が高まった。図表1に見るように、米国全体では失業率4.7%とほぼ完全雇用状態にある中で、低学歴の肉体労働者の雇用はむしろ低下している。大きく減少した住宅投資、財政赤字削減の犠牲となった政府インフラ投資、原油価格下落と厳しい環境規制によるエネルギー投資抑制、等は中西部の低スキル白人労働者の雇用を奪った。インフラ投資増加、エネルギー規制の緩和による投資促進、金融規制緩和による住宅建設促進などにより、彼らの雇用機会を復元するという政策は筋の通ったもので成功するだろう。
 
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