トランプ政治の陰の主役、強いドル ~国境税が最後の一押し、超ドル高時代へ~

 図表2に見るように変動相場制の時代に入って以降、最もドル高が顕著であったのは1978年末から1985年プラザ合意までの6年余りの期間であり、それを引き起こしたのが金融引き締めと財政拡大というレーガノミクスによる景気テコ入れであった。この間ドル実質実効レートは5割上昇した。トランプ次期大統領のポリシーミックスはレーガノミクスと類似しており、同様のドル高トレンドが想定される。しかし大きな相違点がある。それは産業競争力の相違がもたらすドル高の持続性である。レーガン時代のドル高は当時の米国の産業競争力が衰弱していたために対外赤字、財政赤字という双子の赤字が著しく増加し、長くは持続できなかった。しかし、トランプ大統領の下で想定されるドル高は米国産業の競争力が顕著であるために対外赤字をむしろ減少させると考えられるので、より壮大なドル高となりそうである。更に、米国の輸入依存度が著しく変化している。
 
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 図表3に見るようにレーガン時代の1980年米国の輸入依存度(輸入額/内需額)は30%そこそこ、必要物資の70%が国内生産されていた。ドル高はこの国内生産品の海外移転を大きく促進した。しかし今は米国の輸入依存度は90%弱とほぼ極限に達し、これ以上海外生産にシフトしようもなくなっている。ドル高であっても輸入が増えようもないのである。
 
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 トランプ政権下においては、ドル高→米国覇権(経済と地政学上の圧倒的優位性)の強化→ドル高→米国覇権強化、という好循環が見込まれるが、それは国境税が創設されればより確かになると予想される。
 

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