アナリスト活動の変革に向けて~早耳情報禁止の中で

・セルサイドアナリストは、‘選択的情報の提供’をしてはならない。情報は公平に平等に発信し、投資家に届くようにすべきであるという主旨である。特定の誰かに一足先に話してはならない。そのためには、アナリストレポートに情報をきちんと書き込んで、一斉に発信することが求められる。

・発信したレポートの内容と矛盾するストーリーを、特定の誰かに語ってはならない。レポートには建前を書いたが、本音は別のところにあり、そちらの方が実現する可能性が高いというような内容を提供してはならないという意味である。リスクシナリオがあるなら、それもレポートに記載しておく必要がある。

・では、まだ固まっていない投資アイデアについて、投資家や企業家と会話してはならないのか。そんなことはない。談論風発はいくらやってもよい。但し、企業に未公開の情報を求めてはならない。そこには一定の節度が必要であり、自らの考えを歪めたり、思い込みをしたり、勝手な曲解をしてはならない。要は、嘘をつくな、秘密を聞くな、論理明晰という姿勢を貫くべし、という倫理が問われている。

・インサイダー情報にあたる重要事実と、法人関係情報では意味合いが異なる。重要事実は株価に‘著しく影響を及ぼすもの’であり、法人関係情報は‘株価に影響するもの’という定義なので、重要事実よりも幅広い。

・では、株価に影響する情報は、法人関係情報になりうるので、それを企業から取材で取得してはならないとすると、何をどう話すのか。何が株価に影響するかは分からないのだから、何も話せない。何も聞けないとなってしまうのか。

・そう萎縮する必要はない。企業サイドもアナリストサイドも株価に直接的に影響する情報とは何かが概ね分かっている。その情報の探り合いをするわけではない。もっとファンダメンタルな議論はいくらでもできる。最も大事なことは、誰から何を聴いたかではなく、自分が様々な情報を活用して、企業の価値創造プロセスをどのように理解し、将来を予測していくかが中心命題である。

・それを定性的に組み立て、定量的に予測して、書きおろしていけば、それは自分のオリジナルな意見である。マイオピニオンを、論理一貫性を持って語るという姿勢と表現力が身に付いてくれば、アナリストはかなり自由に活動できよう。

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