S&P500月例レポート (2016年12月配信)

 各国中央銀行の動きをみると、日銀は、物価上昇率が高まっていないことを認め、最近(9月に)新たに導入した政策を据え置きました。日銀は、2%の物価上昇目標の達成時期が2018年になるとの見通しを示し、さらに、国債利回りを維持するため、あらかじめ決められた価格(固定利回り)で金額に制限を設けずに国債の買い入れを行うと述べました。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、月額880億ドルの債券買い入れプログラムの2017年3月以降への延長に関する議論を行っていないと述べましたが、12月8日開催の政策理事会では、この件が議題に上るとみられています。メキシコの中央銀行は、政策金利を0.50%引き上げ5.25%とし、米大統領選があらゆる地域の金融市場でボラティリティの上昇を招いたと指摘しました。メキシコ・ペソの対ドルでの値下がりが続き、米大統領選投票日(11月8日)の終値が18.32だったのに対し、月末の終値は20.64でした(2015年の終値は17.38)。イングランド銀行(BOE)は政策金利を据え置き、追加利下げの可能性は後退したとの見方を示しました。また、BOEは英国の経済成長率の見通しを2016年は2.0%から2.2%に、2017年については0.8%から1.4%にそれぞれ引き上げました。FOMCは予想通り利上げを見送りました。投票結果は8対2で利上げ反対派が多数を占めましたが、9月のFOMCでメスター総裁、ジョージ総裁と共に利上げに賛成していたローゼングレン総裁が今回は反対に回りました。米連邦準備制度理事会(FRB)は、物価上昇率が目標の2%に近づいており、経済は引き続き力強さを増していると述べました。FRBは依然として12月の利上げを示唆しましたが、それは大部分の専門家が予想するところでした(先物市場がその時点で織り込んでいた12月の利上げの可能性はほぼ70%)。FRBは何度か異なる見方を示しましたが、重きをなしたのは「比較的早期」に利上げする可能性があるというイエレン議長の発言でした。12月のFOMCは13日~14日に開催されますが、先物市場が織り込む利上げの可能性は90%を超えています。

 世界経済に関するニュースでは、オーストラリア準備銀行は政策金利の据え置きを決定しました。中国国家統計局発表の10月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は市場予想の50.3を上回る51.2となり(9月は50.4)、世界的な株価の支援材料となりました。また、サービス業PMIも9月の53.7から54.0に上昇しました。中国の10月の輸出は前年同月比7.3%減少し、輸入も1.4%減少した結果、貿易収支は490億ドルの黒字となりました。ユーロ圏の第3四半期のGDP成長率は前期比0.3%、前年同期比1.6%となりました。欧州連合(EU)の第3四半期のGDP成長率は前期比0.4%、前年同期比1.8%でした。ユーロ圏の9月の小売売上高は、市場予想の前月比0.3%減に対して0.2%減となりました(前年同月比比1.1%増)。英国の10月の消費者物価指数(CPI)は9月の前年同月比1.0%上昇から低下して同0.9%上昇となりました。市場予想は同1.1%の上昇でした。マークイット発表の11月のユーロ圏PMIの速報値は54.1と前月の53.3から上昇しました。日本の10月のコアCPI(食品とエネルギーを除く)は前年同月比0.4%低下し、8カ月連続でマイナスとなりました。経済協力開発機構(OECD)は、2017年の世界経済の成長率を前回予想の3.2%から3.3%に引き上げました。また、トランプ次期大統領が掲げる景気刺激策を予測に織り込み、2018年は3.6%の成長率を見込んでいます。

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