S&P500月例レポート(2016年11月配信)

 政治面では、投票日を1週間後に控え、現時点において市場はクリントン候補(民主党)が勝利し、下院は共和党が辛うじて過半数を維持すると予想しています。上院も共和党の過半数が続くとの見方が主流ですが、互角の議席数、あるいは少数ですが民主党の過半数獲得を予測する向きも一部に見られます。こうした市場予想に変化があれば、ヘルスケアや貿易関連銘柄を中心に資産配分の大幅な見直しが起こると予想され、万が一トランプ候補が勝利した場合には、資産配分の大転換となり、投票日翌日の9日の寄付きは注文の不均衡が生じる可能性があります。

 業績関連では、10月は決算が大きな株価変動要因となりました。10月末現在、時価総額の70.2%に相当する306社が決算発表を終えており、過去平均の67%を上回る73%の企業で利益が予想を上回っています。売上高も力強く、55%の企業が予想を上回り、活発な個人消費が見込まれます。第2四半期と同様に利益と売上高の両方に回復が見られ、現在のバリュエーションを下支えしています。ただし、下支えと株価押し上げは別物です。

 その他のニュースとしては、英国のメイ首相がEU離脱の正式通知を2017年3月までに行うことを表明しました。離脱時期は2019年を目指しています。この発言を受け、英ポンドは31年ぶりの安値となる1ポンド=1.24ドルまで下落しました。ブレグジットの投票直前は1.50ドルでした。ドイツのメルケル首相は英国との交渉に対しては強硬姿勢で臨むとし、フランスのオランド大統領も英国はEUを離脱する際には代償を払わねばならないと発言しました。コロンビア政府が左翼のマルクス主義者と交わした和平合意は、事前の世論調査では和平協定が発効されると予想されていたにもかかわらず、同国の有権者は反対の意思を示し、その賛否を問う国民投票で否決されました。英国のブレグジットに関する投票が事前予想に反する結果となったことに続き、世論調査の信頼度は低下しています。トルコ政府は2016年7月に発生したクーデター未遂事件への対応が継続していることを理由に、非常事態宣言の3カ月の延長を決定しました。米国はロシア側が履行義務を果たしていないとして、シリア停戦協議の中断を決めました。サウジアラビア政府は国際市場で同国としては過去最大となる国債発行を実施しました。発行額は175億ドルで、発行利回りは5年物が2.58%、10年物が3.40%、30年物が4.62%となりました。インターネット関連事業も手掛ける通信サービス大手ソフトバンクは、サウジアラビアの政府系ファンドと共同で、テクノロジー分野に投資する資産規模1,000億ドルのファンドを設立しました。

 利回り、金利、コモディティは引き続き活発な動きを見せました。米国10年国債の利回りは9月末の1.60%から上昇(価格は下落)して1.84%で10月の取引を終えました(2015年末は2.27%、2014年末は2.17%)。30年国債の利回りは2.59%と、9月末の2.32%から上昇しました(同3.02%、同2.75%)。外国為替市場は活発な動きを見せ、ユーロは9月末の1ユーロ=1.1240ドルから1.0982ドルに下落して10月を終えました(2015年末は1.0861ドル)。英ポンドは9月末の1ポンド=1.2976ドルから10月末は1.2244ドルに下落しました(同1.4776ドル)。円はドルに対して9月末の101.34円から下落して104.81円で10月を終えました(同120.66円)。人民元は1ドルに対して9月末の6.6711元から10月末は6.7716元に下落しました(同6.4931元)。金価格は9月末の1,318.80ドルから10月末は1,278.90ドルに下落しました(2015年末は1,060.50ドル、2014年末は1,183.20ドル)。原油価格はOPECによる増産凍結観測を受けて大きく変動しましたが、最終的には9月末の1バレル48.05ドルから46.70ドルに下落して10月を終えました(2015年末は37.04ドル)。米国内のガソリン価格はわずかに値上がりし、9月末の1ガロン2.224ドルから10月末は2.243ドルに上昇して月の取引を終えました(2015年末は2.034ドル、2014年末は2.299ドル)。VIX恐怖指数は9月末の13.29から10月末は17.06に上昇しました(2015年末は18.21)。

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